大場隆広

大場 隆広（おおば たかひろ、1948年6月23日 - 2016年7月16日）は、福岡県田川郡香春町に生まれ、プロ野球選手そしてコーチとして活躍した人物です。息子に元読売ジャイアンツの内野手である大場豊千氏を持ちます。

高校時代からプロ入りまで

別府鶴見丘高校のエースとして活躍し、3年次の1966年には夏の甲子園予選中九州大会で準決勝まで駒を進めました。熊本一工との一戦では、相手エース田尻茂敏投手と投げ合いましたが惜しくも敗退し、甲子園出場の夢は叶いませんでした。しかし、予選期間中には1試合平均11個の三振を奪うなど、その投球能力は高く評価されました。特に、伸びのある速球と鋭いドロップを武器とし、荒削りながらも将来性を感じさせる左腕として注目を集めました。

その才能はプロ野球界からも熱い視線を集め、1966年の第1次ドラフト会議において、中日ドラゴンズから堂々の1位指名を受け、翌1967年に入団しました。

プロ野球選手としてのキャリア

プロ入り1年目には、若手選手の登竜門であるジュニアオールスターゲームに選出されるなど、貴重な本格派サウスポーとして将来を嘱望されました。しかし、残念ながらプロ野球最高峰の舞台である一軍ではなかなか結果を残すことができませんでした。

中日では1970年オフに自由契約となり、活躍の場を求めて近鉄バファローズへ移籍します。近鉄でも一軍での定着は難しく、1975年オフには再び自由契約となります。その後、南海ホークスに移籍し、1976年からの2年間プレーしました。1977年には二軍トレーニングコーチを兼任しながらプレーを続けましたが、この年限りで現役選手としてのキャリアに幕を下ろしました。

プロ野球選手としての11年間、一度も一軍で勝利を挙げることができませんでした。これは、ドラフト会議で1位指名を受けてプロ入りした投手としては、笠原栄一投手（元ロッテ）に更新されるまで、11年間一軍未勝利というプロ野球界における最長記録として残ることとなりました。

引退後の活動

現役引退後は、そのまま南海ホークスに残り、指導者としての道を歩み始めました。二軍トレーニングコーチ（1978年 - 1979年、1982年 - 1985年）や二軍ランニングコーチ（1981年）として、若手選手の育成に尽力しました。球団でのコーチ生活を終えた後は、野球界から一旦離れ、大阪市西区川口でお好み焼き店を経営し、実業家として新たな人生を歩みました。しかし、野球との縁が完全に切れたわけではなく、後にプロ野球選手となる元木大介氏が若手時代にハワイへ野球留学した際には、コーチとして帯同し、指導にあたった経験も持っています。

晩年

2016年7月16日、急性骨髄性白血病のため逝去しました。享年68歳でした。

背番号

プロ野球人生で背負った背番号は以下の通りです。

中日ドラゴンズ (1967年 - 1970年): 34
近鉄バファローズ (1971年 - 1975年): 69 (1971年)、40 (1972年 - 1975年)
南海ホークス (1976年 - 1977年): 59
南海コーチ時代 (1978年 - 1979年、1981年 - 1985年): 71 (1978年)、88 (1979年)、87 (1981年 - 1985年)

もう一度検索