大塚淳 (音楽家)

大塚淳（おおつか すなお）

生涯

大塚淳は、1885年（明治19年）1月19日に生まれ、1945年に没した日本の指揮者です。代々医師の家系の一人息子として生まれました。父親は医師の大塚長寿郎正心です。

東京音楽学校（現在の東京藝術大学）に入学し、バイオリンを専攻しました。卒業後は同校の教授に就任し、後進の指導にあたりました。東京音楽学校在学中の1906年（明治39年）には、慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラの初代指揮者に選ばれ、渡満するまでの間、その指揮を務めました。

満州国での活動

1938年（昭和13年）、満州国新京市からの招聘を受け、満州国国立音楽学校の創設のために渡満しました。渡満前には、慶應ワグネル・ソサィエティー第60回定期公演「ベートーヴェンの夕」で指揮を執りました。

満州国では、1938年12月22日に新京交響楽団の第一回演奏会が開催され、大塚淳が指揮者を務めました。この演奏会では、テノールの細田透、ソプラノの清水英子、ピアノの和泉初音といった音楽家たちも参加し、ベートーヴェンの交響曲や歌劇などが演奏されました。その後も、新京交響楽団は「満鉄社員倶楽部」や「協和会館」などを会場に、定期的に演奏会を開催しました。

家族

妻の恒子との間に、5男6女、計11人の子供をもうけました。長男の楠男はチェロ奏者として活動し、作曲や映画音楽の分野でも活躍しました。また、三男、四男、五男は戦後、ハワイアンバンド「大塚竜男とパームセレナーダス」を結成し、映画出演や楽曲のヒットなどで人気を博しました。大塚淳の子供たちは、音楽の才能を受け継ぎ、それぞれの分野で活躍しました。

大塚淳の功績

大塚淳は、日本の音楽界において、指揮者としてだけでなく、教育者としても大きな足跡を残しました。また、満州国における音楽文化の発展にも大きく貢献しました。大塚淳の情熱は、彼の子供たちにも受け継がれ、音楽家一家としてその名を音楽史に刻みました。

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