大学改革支援・学位授与機構

独立行政法人大学改革支援・学位授与機構とは

独立行政法人大学改革支援・学位授与機構（National Institution for Academic Degrees and Quality Enhancement of Higher Education）は文部科学省が所管する独立した法人であり、日本国内で唯一、大学以外の機関に対して学位を授与する役割を担っています。さらに、他の高等教育機関の評価を行う大学評価機関としても機能しています。所在地は東京都小平市の一橋大学小平国際キャンパス内にあるため、都市部においてもアクセスしやすい環境です。

機構の設立と使命

この機構は1991年7月に設立され、大学改革支援・学位授与機構法に基づいて運営されています。主な目的は、大学以外での専門的な学習成果を認定し、相応の学位を授与することにあります。具体的には、高等専門学校や短期大学の専攻科を卒業した場合、また大学において2年以上の学びを終え中退した後に別の大学で必要な単位を取得した場合などにも、大学卒業と同等の水準で学位が授与される道が開かれます。また、認定を受けた省庁大学校で課程を修了した者に対しては、申請によって学士や修士、博士の学位が授与されることもあります。これは、中卒・高卒認定とは異なるものであり、あくまでも学者としての称号としての学位取得を目指しています。

評価機関としての役割

学位授与だけでなく、機構のもう一つの重要な責務は、「大学評価機関」としての機能を果たすことです。法的にも定められており、大学等の教育研究活動の評価を通じて教育水準の向上を図るとともに、多様な学習の成果を評価することで高等教育全体の発展に寄与することが求められています。また、国際的な評価機関との連携を強化し、海外との交流を促進する活動も行っています。

主な業務内容

機構の業務には以下のようなものがあります。

1. 認証評価事業: 大学の教育研究活動の評価を行い、その結果を公表します。
2. 学位授与事業: 学士、修士、博士などの学位を正当に授与します。
3. 調査研究事業: 高等教育に関する調査研究を行い、学位授与に必要な学習成果評価に向けた研究を進めます。
4. 情報提供事業: 大学に関する情報や学習の機会に関する情報を収集・整理し提供します。
5. 国立大学法人評価事業: 国立大学の教育研究活動の評価を行います。

歴史的背景

この機構は、1986年の教育改革に関する答申から始まり、1990年に学位授与機関設立の調査が行われました。1991年には、学位授与機構が設置され、続いて2000年に大学評価・学位授与機構に改組、2004年には独立行政法人としての認定を受けました。

組織構成

機構のトップは機構長であり、2024年4月現在は福田秀樹氏がその役割を担っています。そのほか、理事や監事が名を連ね、機構の運営が円滑に行われるよう努めています。

学位授与の流れ

学位を取得するには、基礎資格を満たし、規定の学修成果を提出する必要があります。申請者は毎年4月と10月の2回、学位申請を行うことができ、審査に合格した場合は正式な学位が授与されます。

自立した高等教育の実現に向けて

独立行政法人大学改革支援・学位授与機構は、その独自の位置付けを基に、高等教育の質の向上を目指しており、日本の教育制度において重要な役割を果たしています。教育機関との連携を深めつつ、社会全体の教育水準を押し上げていくことが求められています。

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