大宮信光

大宮信光氏は、1938年8月10日生まれの日本の科学ジャーナリスト、そしてSFファン活動家です。東京神田で生まれ育ち、東京教育大学在学中には家庭教師や塾経営を営むなど、多様な経験を積みました。

彼のSFとの関わりは深く、1967年にSF同人誌『宇宙塵』に参加したことが始まりです。同時期には、ロバート・ハインラインの『宇宙の戦士』の翻訳をめぐる論争に積極的に参加し、石川喬司氏との議論は後に石川氏の著書『SFの時代』で紹介されるほど注目を集めました。

1968年には、石原藤夫氏、柴野拓美氏らと共に「SFファン科学勉強会」（通称：SFフ科会）を結成。草場純氏、志水一夫氏、鹿野司氏らも加わり、活発な活動が展開されました。この勉強会は後に「SF乱学講座」と名称を変え、現在も継続されています。大宮氏は1979年頃から「SF乱学者」を名乗り、その活動の中心人物として活躍しています。

SF大会への貢献も著しく、1968年の日本SF大会「TOKON4」では野田宏一郎氏が実行委員長を務めましたが、大宮氏は実質的な責任者として大会を成功に導きました。その後、1982年の日本SF大会「TOKON8」では実行委員長を務めています。

これらの長年のSFファン活動への貢献が認められ、2024年には柴野拓美章を受章しました。これは、日本のSF界において極めて名誉ある賞であり、大宮氏の功績の大きさを示しています。

大宮氏の活動は、SFの世界にとどまりません。数多くの著書を出版しており、科学に関する知識を分かりやすく解説したものが多数を占めます。その著作は、科学の面白さを伝え、読者に科学への興味を持ってもらうことを目的としており、幅広い年齢層から支持されています。

主な著作には、『科学ウッソー?ホントー! 人類の運命はどうなるのか』『SFの冒険 誤読と悦楽のSF地図』『元素はすべての元祖です 化学がたまらなく好きになる!』などがあり、科学の様々な分野を扱った読みやすい解説書として人気を博しています。その他にも、相対性理論、化学、気象、ロボット工学など、多岐にわたる分野の書籍を執筆・監修し、科学知識の普及に大きく貢献しています。

また、『神という機械への夢―サンリオSF文庫カバーアート集』の監修や、『地震の大常識』の共著など、単著だけでなく、共著や監修も多数手がけており、その活動は多様性に富んでいます。SFフ科会名義での共著も多く、仲間たちとの共同作業による書籍も多数出版されています。

彼の息子はフリーライターの大宮冬洋氏です。

このように、大宮信光氏は、科学ジャーナリスト、SF活動家、そして多くの著作の著者として、日本の科学文化の発展に多大な貢献を果たした人物と言えるでしょう。その活動は、これからも多くの人の心を捉え続け、科学への関心を高める力となるでしょう。

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