大山積神社 (新居浜市)

大山積神社（おおやまづみじんじゃ）

愛媛県新居浜市角野新田町に鎮座する大山積神社は、住友グループの守護神として知られています。新居浜市、そして住友グループの礎を築いた別子銅山の守護神が祀られており、その歴史は別子銅山の開坑とともに始まりました。

祭神

大山積神
倉稲魂命（稲荷神）

大山積神社は、三島・大山祇信仰と稲荷信仰の系列に属しています。

歴史

神社の歴史は、1691年の別子銅山開坑に遡ります。同時期に大三島の大山祇神社から勧請・創建され、全国の鉱山に勧請された鉱山型大山祇神社の中でも、創建が早い社のひとつです。

鉱夫たちは入坑する際、必ず坑口に奉られた御祭神に安全を祈願しました。当初は別子山村足谷に位置していましたが、採掘の進展とともに1893年に足谷の目出度町、1927年には新居浜市内、そして1928年に現在の場所へと遷座しました。現在地への移転後には、磯浦町にあった住友グループ各事業の守護神も合祀されています。

1973年に別子銅山は閉山しましたが、現在も住友グループ各社によって祭祀が続けられています。新年祭や例大祭には、新居浜所在のグループ各社が参列することが習わしとなっています。神社の所有・管理は、別子銅山を経営し、現在も鉱山を操業する住友金属鉱山が行っており、本社屋上や各事業所にも大山積神社が勧請されています。

1975年には、住友グループ21社により境内に別子銅山記念館が整備されました。

境内

本殿・拝殿：参拝の中心となる場所です。
大鉑（おおはく）：拝殿に向かって右側に置かれた巨大な銅鉱石。毎年奉納されていたもので、展示されているのは1973年に奉納された最後のものです。
奥の宮社：本殿から少し離れた場所に位置し、石鳥居の先からは新居浜市街を一望できます。生子山（煙突山）の頂上にあたります。

周辺施設

別子銅山記念館：境内にあり、別子銅山の歴史に関する資料を展示しています。
蒸気機関車・かご電車：ドイツ・クラウス社製で、初代坊ちゃん列車と同型。鉱山鉄道で使用されていたものです。
煙突山の煙突（旧山根製錬所煙突）：国の登録有形文化財に指定されています。

大山積神社は、別子銅山の歴史と住友グループの発展を見守り続けてきた、地域にとって重要な存在です。境内からは新居浜市街を一望でき、その景観は訪れる人々に安らぎを与えます。隣接する山根公園や別子銅山記念館と合わせて訪れることで、新居浜市の歴史と文化に触れることができるでしょう。

もう一度検索