大山誠一

大山 誠一のプロフィールと研究

大山 誠一（おおやま せいいち、1944年8月生まれ）は、歴史学の専門家で、日本の古代政治史に関する研究を行ってきた学者です。中部大学の名誉教授として、長屋王家木簡や聖徳太子に関する独自の見解を提唱し、多くの著作を通じてその考察を広めています。

来歴

東京都で生まれた大山は、1970年に東京大学の文学部国史学科を卒業。その後、同大学院で博士課程を修了し、1975年に満期退学します。彼の指導教官は、著名な歴史学者の井上光貞でした。その後、各大学で非常勤講師としての経歴を重ね、1991年からは中部大学人文学部で教授として教鞭を執り、1999年には東京大学より文学博士の学位を授与されました。2014年には定年退職を迎えています。

聖徳太子の非実在論

大山は聖徳太子の実在についての疑問を呈しており、彼が受け継いできた見解を展開しています。聖徳太子とされる厩戸王が実在したとしても、彼の知名度や地位は後世に作り上げられたものであると考えています。彼の見解によれば、聖徳太子の存在は724年に編纂された『日本書紀』の中で、当時の権力者たちによって創作されたキャラクターに過ぎないとされています。

この捏造の目的は、大宝律令によって律令国家の体制が整えられた際、天皇のモデルとして中国の聖天子を模倣することであったと指摘しています。特に聖徳太子信仰が法隆寺に関係する資料を通じて発展し、光明皇后がその信仰を広める役割を果たしたとする研究も彼の論考の一部です。

さらに、大山は過去の研究者たちが聖徳太子についての考察を行っていたことを挙げ、彼自身の見解が既存の学説に対する新たな挑戦であることを強調しています。彼は、聖徳太子の実在を否定する学問的根拠をあげた反論がほとんど存在せず、彼の理解が広く受け入れられているとの見解を示しています。しかし、実際には複数の学者からの反論も存在しております。

主な著作

大山の学問的業績は数多くの著作にまとめられています。以下は彼の主な著作の一部です：

• - 『古代国家と大化改新』（1988年、吉川弘文館）
• - 『長屋王家木簡と奈良朝政治史』（1993年、吉川弘文館）
• - 『聖徳太子と日本人』（2001年、風媒社）
• - 『天孫降臨の夢』（2009年、日本放送出版協会）

また、共同著書や編著も手掛けており、彼の考察を賛同する研究者たちの論文が集められた著作もございます。

大山 誠一の研究は、聖徳太子という存在が歴史の中でどのように構築され、後世にどのように受け継がれてきたのかを改めて考えさせる重要な視点を提供しており、これからの日本古代史の研究においても注目されるべき人物です。

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