大山部屋

大山部屋の歴史と特徴

大山部屋（おおやまべや）は、かつて存在した日本相撲協会の高砂一門に属する相撲部屋です。この部屋は1940年に創設され、日本の相撲界における重要な存在となりました。元関脇・高登が年寄・大山を襲名し、独立して大山部屋を立ち上げた背景には、相撲の伝統を継承するという強い意志がありました。

創設と戦後の復興

1945年の東京大空襲により、部屋、家族、そして新弟子を一度に失うという悲劇に見舞われました。それでも大山部屋は、10代大山の指導の下で再び立ち上がりました。1955年には直弟子の松登を大関に昇進させたこともあり、部屋は少しずつ活気を取り戻していきました。1961年には、待望の土俵付きの部屋が完成しましたが、その直後に10代大山は急逝しました。

新たな継承と影響

10代大山の死後、松登が部屋の継承を行い、11代大山に名跡を変更しました。しかし、部屋の規模は小さく、家庭的な雰囲気を持っていました。力士の数も限られていたため、近隣の高砂部屋や熊ヶ谷部屋で稽古をしたこともありました。そんな中でも、直弟子の大飛が幕内に昇進するなどの成果を見せました。

新体制と経営の難しさ

1979年には江戸川区東小岩に新しい土俵付きの部屋が完成し、移転も行われました。しかし、1986年に11代大山が急死し、部屋は再び変革を迎えました。部屋付きの年寄・山響が12代となり、部屋を継承しましたが、経営の困難さからわずか1ヶ月後に閉鎖を決断し、全員が高砂部屋に移籍することになりました。

師匠と力士たち

大山部屋には数代にわたる師匠が存在しました。10代の大山渉は関脇・高登、11代の大山晟郎は大関・松登、12代の大山進は前二の大飛というように、それぞれの時代において力士たちを育ててきました。特に大関の松登は、10代の弟子として成功を収め、相撲界での地位を確立しました。

部屋の力士たちは、各時代において力を示しました。特筆すべきは、松登による大関昇進や、大飛の幕内昇進です。これらの帯同者たちは、大山部屋の伝統と誇りを受け継ぎながら相撲道を進んできました。

まとめ

大山部屋はその歴史を通じて、多くの力士を育て上げ、相撲界において独自の存在感を示してきました。特に師弟関係の強さと、部屋内の家庭的な雰囲気が魅力であり、これらは相撲文化の中で重要な役割を果たしました。今後も、その遺志を感じる力士たちが育まれることを期待しています。

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