高砂部屋

高砂部屋（たかさごべや）

高砂部屋は日本相撲協会に所属しており、高砂一門の一部を成す伝統的な相撲部屋です。部屋の名前には「はしご高」という特殊な表記が使われていますが、実際の看板や文書では通常の「高」を用いて表示されます。

歴史の歩み

この部屋は、明治時代初期に設立され、初代の高砂浦五郎が指導者として角界を代表する存在になることを目指しました。彼は、改革志向を持ち、1889年に自身が中心となって「高砂」名跡の新設を行いました。その後、横綱や大関を数多く輩出しており、現在でもその名門としての地位を築いています。

高砂部屋は1986年に大山部屋を吸収して拡大し、1989年には移転を経て新たな時代を迎えました。特に、6代高砂の存在が際立ち、彼の元には多くの才能ある力士が集まりました。しかし、2000年代中盤からは急速な衰退も見られるようになり、関取在位の記録が途切れる事態も経験しました。

2016年には初めて関取不在となり、その前年には朝青龍の引退が重なり、厳しい状況に直面しました。とはいえ、朝乃山による十両昇進によって、関取不在の危機を一時的に脱することができました。

新型コロナウイルスの影響

2021年には、新型コロナウイルスにより、部屋の力士たちが感染する事態が発生しました。これにより、部屋の運営や力士たちの健康管理に負担がかかることとなり、相撲界にも大きな影響を及ぼしました。クラスターが発生した後、協会の指導のもと、感染防止策が強化されました。

所在地と部屋の特徴

現在、高砂部屋は東京都墨田区本所に位置し、最寄り駅からは徒歩でアクセスが可能です。稽古では独特のスタイルである「皿土俵」を使用しており、これは怪我を防ぐために設計されています。また、外部からの力士の受け入れも盛んで、多様な背景を持つ力士たちが集まっており、競争の激しい環境を形成しています。

現在の構成と展望

部屋付きの親方として若松武彦が活躍しており、行司や呼出、床山ともに、部屋を支える人々がそろっています。特に外国人力士の受け入れが進んでおり、今後の相撲界におけるダイバーシティの象徴とも言えます。2021年の調査では、過去の師匠の違反行為が発覚し、部屋の運営に一定の課題を抱えていることも報告されました。

高砂部屋は、長年にわたって数々の名力士を輩出してきた歴史ある部屋として、引き続きその伝統を守りながらも新たな挑戦を続けていくことでしょう。

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