大山顕

大山 顕

大山 顕（おおやま けん、1972年11月3日 - ）は、神奈川県を拠点に活動する写真家、フリーライターです。特定のテーマに深く切り込むユニークな視点が特徴で、特に団地研究家として広く知られています。その他にも、工場やジャンクション、高架下建築、さらには「共食いキャラクター」といった独特の対象への造詣が深く、これらの分野における第一人者としてメディアに取り上げられることも少なくありません。

埼玉県で生まれ、千葉県で少年時代を過ごしました。千葉県立国府台高等学校を卒業後、千葉大学工学部工業意匠学科にて環境デザインを専攻。同大学院修士課程を修了し、1998年に当時の松下電器産業（現パナソニック）に入社しました。約10年間会社勤務を経験した後、2007年に独立し、写真家としての本格的なキャリアをスタートさせました。現在は、多岐にわたるテーマに関する執筆、撮影活動に加え、書籍の出版、テレビやラジオへの出演、各種イベントの企画・主催などを精力的に行っています。

長年にわたり団地の魅力を探求し続けており、その撮影や取材歴は20年以上にも及びます。団地の魅力を単なる建物構造だけでなく、それが建てられた地形や地域の歴史、そして住民の生活が生み出す独特の「レイアウト」にあると捉えています。例えば、赤羽台団地については、地形的な特徴や、かつて軍服工場があった歴史が団地の配置に影響を与えている点を指摘し、その巧みなレイアウトを高く評価しています。また、近年建て替えられた「ヌーヴェル赤羽台」についても、むやみな高層化を避け、地域に開かれた団地を目指す理念に共感を寄せています。大山氏は、脚本家の佐藤大氏、評論家の速水健朗氏、作家の山内マリコ氏ら、主に創作分野で活動する団地好きのメンバーと共に「団地団」というユニットを結成しています。このユニットでは、団地が登場する様々な作品を取り上げ、団地を切り口とした作品論や社会論を展開するトークイベントなどを開催しています。

その活動の中で、過去に著作権に関わる問題が発生しています。2008年2月15日、ニフティが運営するウェブサイト『デイリーポータルZ』に掲載された「手のりポッド」と題したペーパークラフトの記事において、他者が作成した作品を無断で加工し、自ら考案したかのように紹介しました。さらに、自身のブログにも同様の内容を掲載しました。約1年後の2009年1月30日には、同サイトに「テトぐるみがかわいい」という記事を掲載し、これもまた第三者が制作したぬいぐるみであるにもかかわらず、自身が制作に関わったかのような虚偽の内容を記載しました。これらの件について、本来の作者からの指摘を受けた当初は無断加工を認めず、その後の強い抗議を受けてようやく、2009年10月16日付で『デイリーポータルZ』に謝罪文を掲載し、該当記事の公開を停止しました。しかし、本人のブログには長期間にわたり当該記事が残存していた時期がありました。また、この問題に関連し、雑誌の取材などで自身が製作者であるかのようにインタビューを受けていたことも報じられています。謝罪文の中で、記事から得た利益等をしかるべき団体に寄付する意向を示しましたが、具体的にどのような団体にいくら寄付したのかは明らかにされていません。この問題に関する言及をSNSやブログ上で行ったユーザーに対しては、ブロックやコメント削除といった対応を取っていたとされています。

写真集や単著、共著など多数の書籍を出版しており、『工場萌え』や『団地の見究』、『ジャンクション』といった代表作があります。また、写真展も国内外で開催しており、テレビ番組『熱中時間』へのレギュラー出演をはじめ、『タモリ倶楽部』や『マツコの知らない世界』など、様々なメディアでその専門知識を披露しています。講演活動やユニークなテーマでのイベントも多数開催しており、幅広い分野で活躍を続けています。

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