大島雄次

大島雄次

大島雄次（おおしま ゆうじ、1929年10月25日 - 2021年10月5日）は、日本の実業家であり、明治安田生命保険相互会社の名誉顧問を務めました。富山県出身。

生い立ちと学歴

大島雄次は、安田財閥の創始者である安田善次郎の生家からほど近い場所で生まれました。1947年に法政大学予科に入学し、1952年に同大学法学部法律学科を卒業。さらに1954年には同大学大学院社会科学研究科私法専攻修士課程を修了しました。大学在学中は、法政大学弁論部に所属し、雄弁をふるっていました。

安田生命での活躍

大学に残ることも考えていた大島でしたが、郷里の先輩である安田善次郎の名前に親近感を覚え、安田生命保険相互会社に入社しました。

入社後は、阪神支社長などを経て、1979年に取締役に就任。その後、1983年に常務取締役、1988年に専務取締役資産運用本部長委嘱、1991年には取締役副社長営業総局長委嘱と、順調にキャリアを重ねました。特に営業部門では「営業の鬼」と呼ばれるほどの辣腕をふるい、その手腕を発揮しました。

1993年には代表取締役社長に就任し、会社経営の中核を担いました。

安田信託銀行の救済

1997年、金融業界では経営破綻が相次ぎ、山一證券が自主廃業するという事態が発生しました。その中で、市場では「次に破綻する金融機関は同じ芙蓉グループ系の安田信託銀行である」という共通認識が広がっていました。そんな中、安田信託銀行の社長であった立川雅美から支援要請の電話を受けた大島は、即座に安田信託銀行の支援を約束しました。

大島は、すぐに富士銀行の頭取であった山本恵朗と連絡を取り、富士銀行本店に立川を呼びました。さらに、他の芙蓉グループのトップにも声をかけ、500億円の第三者割当増資の道筋をつけ、安田信託銀行の救済において主導的な役割を果たしました。この迅速かつ的確な対応は、大島のリーダーシップと決断力を示すものとして高く評価されています。

その後

1999年には代表取締役会長に退きましたが、その後も会社の発展に貢献しました。2001年には、長年の功績が認められ、勲三等旭日中綬章を受章しました。

2021年10月5日、老衰のため逝去。享年91歳でした。その功績を称え、死没日をもって従四位に叙せられました。

参考資料

* 『日本金融名鑑 1994年版（第34版）下巻』日本金融通信社、1993年9月。

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