大崎市立真山小学校

大崎市立真山小学校：140余年の歴史を刻んだ山里の学校

宮城県大崎市岩出山地区に位置していた大崎市立真山小学校は、140年以上にわたる歴史を持つ公立小学校でした。山間部にあり、へき地等級1級に指定されるなど、地理的条件から他の学校とは異なる歴史を歩んできました。2018年の閉校まで、地域社会に深く根ざした教育活動を展開し、多くの卒業生を送り出しました。この記事では、真山小学校の創立から閉校までの歴史、教育、そして地域との関わりについて詳細に見ていきます。

明治時代からの歩み：開校から近代化まで

1873年（明治6年）、真山小学校は「第7学区第2中学区上真山小学校」として創立されました。当時の児童数は男子132名、女子4名と、男子児童が圧倒的に多かったことが記録に残っています。これは、当時の社会状況を反映していると言えるでしょう。創立当初は、現在の校舎とは異なる場所にあったとされ、明治13年には上真山機織に新校舎が建設され、葛岡分校と下真山分校が設置されました。その後、明治18年には現在の校舎が建てられ、分校は本校に統合されました。

明治19年には「真山尋常小学校」と改称され、明治34年には「真山尋常高等小学校」となり、尋常科4年、高等科4年の修業年限となりました。その後、義務教育の延長により、尋常科6年、高等科2年制へと変更されました。昭和16年には「真山国民学校」と改称され、戦後の昭和22年には「真山小学校」と再び改称されています。

学校の発展と地域社会との関わり：昭和から平成へ

昭和29年には、町村合併に伴い「岩出山町立真山小学校」となりました。この時代、学校は地域社会の中心的な存在として、発展を遂げていきます。昭和38年には、こども貯金組合が優良組合として大蔵大臣表彰を受けるなど、学校教育に加え、地域社会への貢献も認められました。昭和40年には鉄筋2階建て8教室の新しい校舎が完成し、昭和44年には小中共用プールが設置されるなど、学校施設の充実も進みました。

平成時代に入ると、学校は時代の変化に対応しながら教育活動を展開していきます。平成4年にはNHK合唱コンクール県大会に出場するなど、音楽教育にも力を入れていました。また、平成5年には特殊学級（ポプラ学級情緒障害）が設置され、インクルーシブ教育への取り組みも始まりました。平成9年には学校給食センター方式が開始され、平成10年には地区民との合同運動会が開始されました。この合同運動会は、地域との連携を象徴する取り組みであり、学校と地域社会の結びつきの強さを示しています。さらに、パソコンの導入やインターネットの利用開始など、情報化社会への対応も進められました。

閉校と新たなスタート：統合と未来へ

平成17年には市町村合併により「大崎市立真山小学校」となりましたが、少子化の影響もあり、平成30年には閉校を迎えました。閉校後、大崎市立岩出山小学校（旧）、大崎市立西大崎小学校、大崎市立上野目小学校、大崎市立池月小学校と統合し、大崎市立岩出山小学校（新）が新設されました。140年以上の歴史を持つ真山小学校の閉校は、地域住民にとって大きな出来事でした。しかし、その歴史と伝統は、新たな学校へと受け継がれ、未来へとつながっていくことでしょう。

教育目標と学区

真山小学校の教育目標は「健康で自ら学び，心豊かな子どもを育てる」でした。この目標に基づき、地域社会に貢献できる人材育成を目指した教育が行われていました。学区は、小倉、上馬舘、下馬舘、大坪、小坪、黄金田、小松川（以上、行政区）でした。卒業生は、主に大崎市立岩出山中学校へと進学していました。

まとめ：地域と共に歩んだ140年の歴史

大崎市立真山小学校は、140年以上にわたる歴史の中で、地域社会とともに歩んできました。山間部という立地条件、少子化という時代の流れの中で、閉校という決断に至りましたが、その歴史と伝統は、地域住民の記憶の中に、そして新たな学校の歴史の中にしっかりと刻まれています。真山小学校の歴史は、過疎化が進む地域における教育のあり方について、多くの示唆を与えてくれるでしょう。

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