大崎村 (岡山県)

大崎村（おおざきそん）

岡山県勝田郡に存在した自治体、大崎村（おおざきそん）について解説する。この村は、現在の津山市の南東部に位置し、具体的には金井、中原、新田、西吉田、福力といった地域にあたる。明治時代に複数の村が合併して誕生し、約65年間の歴史を経て昭和の広域合併によりその名を消した。

歴史

大崎村の歴史は、1889年（明治22年）6月1日に施行された町村制に始まる。それまで勝南郡に属していた金井村、中原村、新田村、西吉田村、福力村の五つの村が一つにまとまり、新たな自治体として大崎村が発足した。村役場は、この合併の中心となった大字金井に置かれた。その後、郡の再編が行われ、1900年（明治33年）4月1日には勝南郡と勝北郡が統合され、大崎村は新設された勝田郡の所属となった。村としての独立した歩みは、1954年（昭和29年）7月1日まで続いた。この日、周辺地域の九つの村とともに津山市に編入され、自治体としての大崎村はその歴史に幕を下ろした。

地理と地域構成

大崎村は、先述の通り金井、中原、新田、西吉田、福力の五つの地域で構成されていた。村域内には、広戸川や肘川といった河川が流れ、地域の自然環境を形成している。また、和気山などが村域またはその近隣に位置しており、これらの河川や山々が、かつて村であった地域の景観や生活に深く関わってきた。

現在の状況

かつて大崎村であった区域は、現在も津山市内の「大崎地区」として地域コミュニティの単位となっている。2019年1月1日現在の住民基本台帳によれば、旧村域の人口は2357人であり、これに池ヶ原や堂尾といった周辺地域を加えた広義の「大崎地区」としては2774人が暮らしている。各地域ごとの詳細な人口については、それぞれの地名に関する項目を参照されたい。

教育施設

大崎村には、村民の子弟が学ぶ場として大崎村立大崎小学校が置かれていた。この小学校は、村の教育の中心として機能し、地域の子どもたちの成長を見守ってきた。

交通

村域には、住民の移動手段として鉄道が重要な役割を果たしていた。JR姫新線が村内を通り、美作大崎駅が設置されていた。この駅は、地域と外部を結ぶ玄関口として利用されていた。

文化と名所

大崎村であった地域には、古くから伝わる文化や信仰の場が点在している。特筆すべき祭事としては、福力地域に鎮座する福力荒神社で行われる福力荒神社大祭がある。この祭りは旧暦の元日から三が日にかけて開催され、地域はもとより多くの参拝者で賑わう伝統行事である。また、村域には福力荒神社のほか、金井と中原にそれぞれ鎮座する大崎神社、西吉田の吉田神社、新田の朝日神社、そして中原の若王神社など、様々な神社があり、それぞれの地域における信仰の中心として大切にされてきた。

参考文献

和泉橋警察署『新旧対照市町村一覧』第2冊（東京：加藤孫次郎、1889年）
地名編纂委員会『角川日本地名大辞典33 岡山県』（角川学芸出版、1989年）

関連項目

* 岡山県の廃止市町村一覧

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