大庭三枝 (政治学者)

大庭 三枝（おおば みえ）

概要

大庭三枝は1968年7月15日生まれの日本の国際政治学者であり、東京大学から博士（学術）の学位を取得しています。彼女の研究の主要な焦点は、アジア・太平洋地域の国際関係、特に地域主義に関わるものです。国際関係論の分野で幅広い実績を持ち、内閣府原子力委員会の委員としても務めた経験があります。

学歴

大庭は1991年に国際基督教大学の教養学部社会科学科を卒業しました。その後、1994年には東京大学大学院総合文化研究科の国際関係論専攻で修士課程を修了し、1998年には同大学院の国際社会科学専攻で後期博士課程の単位を取得した後に退学しました。このころには、日本学術振興会の特別研究員としての経験も積んでいます。

職歴

1999年から2001年まで東京大学大学院で助手として活動した後、2001年から2005年まで東京理科大学で教養講師を務めました。大学院で博士号を取得した2002年には、論文「アジア太平洋地域への道程」を発表し、日豪の政策担当者や知識人がどのように「自己包摂的地域」を模索しているかを議論しました。その後、2004年にはシンガポールにある南洋工科大学の防衛・戦略研究所で客員研究員としての活動に従事しました。

ついで、2005年から2014年まで東京理科大学の准教授としての職務を務め、続いて2014年から2020年には同大学の教授として教育と研究に励みました。2020年以降は神奈川大学法学部で教授として活躍しています。

また、大庭はハーバード大学での客員研究員として1年間、アメリカと日本の関係を研究するプログラムにも参加しました。その中で、日本の国際関係における重要な議論を学ぶ機会を得ました。

著作活動

大庭は数冊の著作を発表しています。彼女の代表作の一つである『アジア太平洋地域形成への道程――境界国家日豪のアイデンティティ模索と地域主義』は、アジアにおける地域主義とアイデンティティに関する重要な洞察を提供しています。また、近年発表した『重層的地域としてのアジア――対立と共存の構図』も多くの注目を集めています。さらに、編著として『東アジアのかたち――秩序形成と統合をめぐる日米中ASEANの交差』を取りまとめ、国際的な文脈における東アジアの関係性を考察しています。

受賞歴

大庭は、その研究活動と著作を評価され、様々な賞を受賞しています。特に、2003年にはサー・ニール・カリー出版助成賞、2005年には第21回大平正芳記念賞および第6回NIRA大来政策研究賞、さらに2015年には第11回中曽根康弘奨励賞を受賞しました。これらの功績は、彼女が国際政治学の分野においていかに貢献してきたかを証明しています。

まとめ

大庭三枝は国際関係論を専門とし、特にアジア・太平洋地域の地域主義に焦点を当てた研究を行なっています。その豊富な学歴と職歴、著作活動はお彼女を国際政治学における重要な研究者として位置づけています。彼女の研究は、地域の安全保障や国際的な協力を考える上で大変重要な視点を提供しています。

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