大日方欣一

大日方 欣一（おびなた きんいち）

大日方欣一は、1960年12月5日に東京都で生まれた日本の著名な写真評論家及びフォトアーキビストです。彼のキャリアは、筑波大学の比較文化学類を卒業後、同大学院での修士号取得にもとづいて築かれました。在学中は、クリエイティブハウスAKUAKUの活動に参加するなど、写真に関する多様な経験を積んできました。

来歴

彼は、写真関係の執筆や展覧会の企画に関与しながら、その豊かな知識をさまざまな場で共有しています。また、教学機関でも非常勤講師として教育活動も行っており、多摩美術大学の映像演劇学科や武蔵野美術大学の映像学科、日本写真芸術専門学校、さらには桑沢デザイン研究所など、多くの教育機関において教鞭をとっています。特に、武蔵野美術大学造形研究センターでは客員研究員としての役割を担い、大辻清司アーカイブの編纂プロジェクトでも活発に活動しています。

彼は「とどろきラボ」という映像制作集団を主宰しており、これまでに数多くの展示に関わってきました。展覧会のタイトルには、「大辻清司フォトアーカイブ展」や「実験工房展」、「かたちとシミュレーション：北代省三の写真と実験」、さらには「新たな系譜学を求めて 跳躍／痕跡／身体」などがあります。これらの活動を通じて、彼は写真の内側外側研究会のメンバーとしても活動し続けています。

公開講座

大日方は、毎年夏と冬の年2回にわたり、公開レクチャー「異色の写真家列伝」を開催しています。このレクチャーは、ルーニィ・247フォトグラフィーが主催し、北代省三や熊谷孝太郎など、多くの著名な写真家について議論を交わしています。最近では、アーウィン・ブルーメンフェルドやアルフレッド・スティーグリッツといった歴史的な作家の作品についても取り上げられており、幅広い視点から写真芸術の魅力を探求しています。

展覧会と出版

2013年には世田谷美術館区民ギャラリーで「影像2013」展を企画し、様々なアプローチで写真の本質を追求しました。2015年からは、九州産業大学芸術学部の写真映像学科において専任の教員としても勤務し、次世代の写真家を育てることに尽力しています。

大日方の著作も豊富であり、主要な編著書には『世界の写真家101』や『写真の歴史』、また『大辻清司の仕事1946‐1999』などがあります。これらの書籍では、彼自身の写真理解や表現、そして大辻清司という重要な写真家についての視点が示されています。写真の歴史や技法に関する知識を凝縮した作品も多く、他の執筆者と協同で取り組むことにより、より多様な観点からの分析がなされています。

結論

大日方欣一は、その活動を通じて日本の写真界に多大な影響を与え続けている存在です。教育、研究、展示など多領域にわたり献身的に取り組む姿勢は、未来の写真家や文化にとっての宝物とも言えます。彼の専門知識と情熱は、今後も多くの人々に感動をもたらすことでしょう。

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