大日本仏教全書

大日本仏教全書について

『大日本仏教全書』は、1912年から1922年にかけて発刊された日本の仏教に関する総合的な叢書です。これは、日本で執筆された仏教文献の中でも、既に存在する叢書や大蔵経には含まれていない貴重な書籍を集めたものであり、その数は全161巻に及びます。これらの書籍は本編150巻、目録1巻、そして別巻『十巻抄』から構成されています。

発刊の背景

この叢書の企画は、1911年に高楠順次郎、大村西崖、望月信亨の3名によって始まりました。彼らは仏書刊行会を設立し、その会長には南条文雄が就任しました。この会は、仏教文献を広く普及させることを目指し、翌年の1912年から長い10年をかけて徐々に刊行を開始しました。

発行はその後も続き、1930年から1940年代にかけて再版や復刊が行われました。戦後の1973年には、鈴木学術財団が新たに100巻に編成し直して刊行しました。また、1983年には名著普及会が原本を復刻し、現在では大法輪閣がこの叢書を発行しています。

構成と収録内容

『大日本仏教全書』は、全体で28の部門が設けられており、概数として953部3396巻の典籍が収められています。これにより、様々な仏教の教義や思想、実践に関する貴重な資料を広く網羅しているのが特徴です。

巻別の構成

特に別巻として位置づけられている『十巻抄』は、恵什の図像集を含んでおり、珍しい両面仕様となっています。このように、単なるテキストの収集にとどまらず、ビジュアル面でも仏教の文化を記録し伝える役割を果たしています。

現在の位置づけ

『大日本仏教全書』は、仏教研究や教育の分野において非常に重要な資料とされており、新たな研究や学びのための基盤を提供しています。日本の仏教史を理解するための不可欠な資源であり、現在でも多くの研究者や仏教学者に利用され続けています。

この書籍は、単に仏教のテキストを集めたものだけでなく、時代を超えて伝わる宗教の深淵な側面や、その文化的文脈を理解するための貴重な鍵となるでしょう。

関連項目

この書籍に関連する他の重要な文献としては、『大正新脩大蔵経』が挙げられます。仏教に関する研究や興味を持つ人々にとって、これらの文献は理解を深める上で役立つ資料となります。

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