大杉久雄

大杉久雄：児童文化の発展に貢献した編集者

大杉久雄（1909年6月21日 - 1995年6月20日）は、講談社の編集者として、日本の児童文化の発展に大きく貢献した人物です。戦前から戦後にかけて、主に少年雑誌の編集に携わり、数々の人気作品を世に送り出しました。

文学への情熱と講談社での活躍

大杉は、元々地元の地主の家に生まれましたが、大正恐慌の影響で家は没落。父親からは医者になることを期待され、京都大学への受験費用を渡されます。しかし、幼い頃からの文学への夢を諦めきれず、東京へ向かい早稲田大学第一文学部に入学。父親は激怒し、その年の正月に餅を送らなかったという逸話が残っています。

講談社入社後は、少年雑誌の編集に携わり、「幼年クラブ」や「少年倶楽部」といった雑誌の編集者として活躍しました。これらの雑誌は、当時の子供たちに夢と希望を与え、多くの人気作家を輩出する土壌となりました。漫画家の田河水泡とも親交があり、「のらくろ」誕生にも関わったとされています。

1980年には、長年の児童文化への貢献が認められ、児童文化功労賞を受賞しています。

大杉久雄の功績

大杉久雄は、単なる編集者としてだけでなく、児童文化の発展に情熱を注いだ人物でした。彼の編集した雑誌は、子供たちの心を豊かにし、創造性を育む役割を果たしました。また、多くの作家や漫画家を発掘し、育成することで、日本の児童文化の裾野を広げることに貢献しました。

大杉の仕事は、日本の児童文化史において重要な位置を占めています。彼の情熱と才能は、次世代のクリエイターたちに受け継がれ、現在も日本のエンターテイメント業界に影響を与え続けています。

家族

孫に大杉正人（オーストラリアシドニー在住）がいます。

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