大村あま辛まっ黒!カレー

大村あま辛まっ黒!カレーとは

大村あま辛まっ黒!カレー（おおむらあまからまっくろカレー）は、長崎県大村市のご当地グルメとして登場したユニークなカレーです。大村市は歴史的に旧・長崎街道の宿場町として知られ、この街道はかつてオランダなどから輸入された砂糖を本州へ運ぶ重要なルートでした。このため、大村市では今でも砂糖を用いた甘いお菓子を多く製造しており、旧街道は「シュガーロード」とも呼ばれるようになりました。

さらに、1582年に日本を出発した天正遣欧少年使節がインドを経由して日本に帰国した際、カレーに使われるナツメグが初めて紹介されました。この歴史的背景を受けて、2008年に設立されたまちづくりNPO法人「おおむらサイズ協議会」は、地域の活性化を目指して「シュガーロード」から甘さを、「カレースパイスの伝来」から辛さを取り入れた大村あま辛まっ黒!カレーを開発しました。

特徴的なカレーの仕上げ

大村あま辛まっ黒!カレーは、その名の通り「甘さ」と「辛さ」を見事に融合させています。「黒」という色は、大村市特有の黒土をイメージしており、黒いカレールーには竹炭粉が使用されています。さらに、地元特産の黒田五寸人参などの新鮮な野菜やフルーツが使われており、地産地消の精神も大切にされています。これにより、カレーを通じた地域への愛着や誇りも育まれています。

「カレーの町大村」の誕生

大村市では、「カレーの町大村」としてこのカレーをアピールし、地域おこしを行っています。大村あま辛まっ黒!カレーだけでなく、「大村カレー」の開発も進められ、プロモーション活動が積極的に展開されています。これは地元の飲食店を活性化し、観光客を呼び込むための重要な戦略となっています。

他のご当地カレー

大村市には、大村あま辛まっ黒!カレー以外にも様々な特色あるカレーがあります。たとえば、「天正夢カレー」は大村市のアーケード商店街で販売され、地元で育った黒田五寸人参を使用したレトルトカレーです。2009年4月から地元商店街や空港、郵便局でも取り扱われており、観光客にも好評です。

また「大村海軍カレー 将」は、おおむら夢ファームシュシュと大村市観光コンベンション協会によって開発されたレトルトカレーで、2017年度の長崎県特産品新作展で最優秀賞を受賞しました。これらのカレーは大村市の魅力を引き立てる重要な要素となっています。

活動とイベント

大村あま辛まっ黒!カレーは、単なる食材としての地位にとどまらず、地域の文化や人とのつながりを大事にしたイベントや活動によっても広まっています。2008年には、地元小学生バンドがこのカレーのイメージソングを歌いデビューし、街の活性化を図りました。さらに、2009年7月に「大村あま辛カレーうまか隊!」という宣伝部隊を編成し、九州ご当地グルメコンテストに参加するなど、地域の魅力を積極的に発信しています。

2019年には大村青年会議所が主催で「大村カレーグランプリ」を開催し、多くの人々にこのカレーの魅力を伝えました。これらの活動は、大村市を訪れる観光客や地元住民にとっても貴重な体験となるでしょう。

大村あま辛まっ黒!カレーは、地域の歴史と文化を反映した特別なカレーとして、多くの人々に愛され続けているのです。

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