大村久美子
大村久美子（おおむら くみこ）は、1970年生まれの日本の現代音楽作曲家です。静岡県出身で、東京藝術大学で近藤譲、松下功、浦田健次郎に師事し作曲を学びました。その後ドイツに渡り、エッセンのフォルクバング音楽大学でニコラウス・アーノルト・フーバーに師事しました。
2000年からはフランス・パリのIRCAM（フランス国立音響音楽研究所）にてレジデント・コンポーザーとして活動しました。2004年に一時帰国し、東京藝術大学大学院美術研究科にて古川聖のもとでコンピュータ音楽を学びました。その後再びドイツに渡り、2006年よりドイツ・カールスルーエのZKM（メディアアートセンター）にてレジデント・アーティストとして活動しました。既婚で一児の母であり、現在はドイツ在住で精力的な創作活動を続けています。
大村の作風は、初期には執拗な反復語法が特徴的でした。入野賞を受賞した「Reticulation」では、その特徴が顕著に現れています。しかし、その後はメトリックを単純化し、エネルギーを集約化する方向へと変化していきました。「発芽 I」では、ヴァイオリンとピアノのピッチを極限まで絞り込み、音の厳密な構成を追求しました。また、サンバルアンティクを伴う弦楽合奏のための「シナプス」では、音程構造を正確無比に構築し、最後に音域を上げてカタルシスへと導く構成を用いています。
現音作曲新人賞を受賞した「浄められた息」では、音程のシステマティックな変容が話題となり、同世代の作曲家の中では珍しいほど構造主義を徹底していると評価されました。近年の6演奏者のための「慈雨」では、ハープに反復が見られるものの、以前ほど前面に押し出されることは少なくなっています。西洋楽器を用いない作品においても、同様の傾向が見られます。
大村の作品は、音の素材の厳密な構成と、その変化によるダイナミズムが特徴であり、複雑な構造を持ちながらも、聴衆に強い印象を与える作品が多いです。
大村は、国内外で数々の賞を受賞しています。
1992年：秋吉台国際作曲賞ノミネート
1994年：入野賞
1998年：ガウデアムス賞（ジェフ・ハンナンと同着優勝）
1999年：ハノーファー・ビエンナーレ国際作曲コンクール最高位
2000年：ACL入野記念賞第一位
2000年：Förderpreis des Landes Nordrhein-Westfalen für junge Künstlerinnen und Künstler
2004年：武生作曲賞
2005年：現音作曲新人賞
2010年：フランコ・エヴァンジェリスティ国際作曲コンクール入選
2012年：ギガ・ヘルツ電子音楽国際作曲コンクール入賞
大村の作品は、CDや電子音楽作品として発表されています。
Double Contour / Kumiko Omura Portrait CD by fontec "Japanese Composer" series (2009)
Double Contour for cello and live electronics (2001)
Germination II for 6 Players (Fl.Ob.Cl.Vn.Pf.Vib.) (2003)
Hommage à Pluton for ensemble and live electronics(2006-7)
Mutation of the Möbius for recorder and viola d'amore (2005)
La complication d'image AB for alto/baritone saxophone (2002/7)
Reticulation for Orchestra (1993-4)
Imaginary Bridge for shakuhachi, ensemble and electronic sound (1998-99)
Double Contour for cello and live electronics (2001) / Computer music journal sound and video anthology. Volume 28 by MIT Press (2004)
La complicatiln d’image for tenor saxophone and live electronic (2002) / Takashi Saito (Sax) Solo CD by ALM Record in Japan (2003)
Synapse for strings ensemble (2001-2) / Wittener Tage für Neue Kammermusik 2002 beim WDR
公式サイト
2000年からはフランス・パリのIRCAM（フランス国立音響音楽研究所）にてレジデント・コンポーザーとして活動しました。2004年に一時帰国し、東京藝術大学大学院美術研究科にて古川聖のもとでコンピュータ音楽を学びました。その後再びドイツに渡り、2006年よりドイツ・カールスルーエのZKM（メディアアートセンター）にてレジデント・アーティストとして活動しました。既婚で一児の母であり、現在はドイツ在住で精力的な創作活動を続けています。
作風
大村の作風は、初期には執拗な反復語法が特徴的でした。入野賞を受賞した「Reticulation」では、その特徴が顕著に現れています。しかし、その後はメトリックを単純化し、エネルギーを集約化する方向へと変化していきました。「発芽 I」では、ヴァイオリンとピアノのピッチを極限まで絞り込み、音の厳密な構成を追求しました。また、サンバルアンティクを伴う弦楽合奏のための「シナプス」では、音程構造を正確無比に構築し、最後に音域を上げてカタルシスへと導く構成を用いています。
現音作曲新人賞を受賞した「浄められた息」では、音程のシステマティックな変容が話題となり、同世代の作曲家の中では珍しいほど構造主義を徹底していると評価されました。近年の6演奏者のための「慈雨」では、ハープに反復が見られるものの、以前ほど前面に押し出されることは少なくなっています。西洋楽器を用いない作品においても、同様の傾向が見られます。
大村の作品は、音の素材の厳密な構成と、その変化によるダイナミズムが特徴であり、複雑な構造を持ちながらも、聴衆に強い印象を与える作品が多いです。
受賞歴
大村は、国内外で数々の賞を受賞しています。
1992年：秋吉台国際作曲賞ノミネート
1994年：入野賞
1998年：ガウデアムス賞（ジェフ・ハンナンと同着優勝）
1999年：ハノーファー・ビエンナーレ国際作曲コンクール最高位
2000年：ACL入野記念賞第一位
2000年：Förderpreis des Landes Nordrhein-Westfalen für junge Künstlerinnen und Künstler
2004年：武生作曲賞
2005年：現音作曲新人賞
2010年：フランコ・エヴァンジェリスティ国際作曲コンクール入選
2012年：ギガ・ヘルツ電子音楽国際作曲コンクール入賞
ディスコグラフィー
大村の作品は、CDや電子音楽作品として発表されています。
Double Contour / Kumiko Omura Portrait CD by fontec "Japanese Composer" series (2009)
Double Contour for cello and live electronics (2001)
Germination II for 6 Players (Fl.Ob.Cl.Vn.Pf.Vib.) (2003)
Hommage à Pluton for ensemble and live electronics(2006-7)
Mutation of the Möbius for recorder and viola d'amore (2005)
La complication d'image AB for alto/baritone saxophone (2002/7)
Reticulation for Orchestra (1993-4)
Imaginary Bridge for shakuhachi, ensemble and electronic sound (1998-99)
Double Contour for cello and live electronics (2001) / Computer music journal sound and video anthology. Volume 28 by MIT Press (2004)
La complicatiln d’image for tenor saxophone and live electronic (2002) / Takashi Saito (Sax) Solo CD by ALM Record in Japan (2003)
Synapse for strings ensemble (2001-2) / Wittener Tage für Neue Kammermusik 2002 beim WDR
外部リンク
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