大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館

大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館

大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館は、世界中で愛される童話『ピーターラビットのおはなし』などで知られる作家、ビアトリクス・ポター（Beatrix Potter, 1866-1943）に関する貴重な資料を展示する施設です。埼玉県東松山市にある埼玉県こども動物自然公園内に位置し、隣接する大東文化大学によって運営されています。

施設の概要

この資料館は、ポターが晩年を過ごし、その作品世界にも影響を与えたイギリスの湖水地方にあるヒル・トップ農場（Hill Top Farm）を、園内の敷地に忠実に再現した建物が特徴です。ポターの世界観が息づく美しい空間は、訪れる人々に深い感動を与えます。2006年4月に開館して以来、多くのポターファンや文学愛好家、そして動物公園を訪れる家族連れに親しまれています。開館からわずか4年7ヶ月後の2010年11月には、累計10万人目の来館者を迎えるなど、その人気の高さを示しています。

貴重なコレクションの展示

資料館の中核をなす展示品は、大東文化大学図書館および英米文学科が長年かけて収集してきた、世界的にも稀有なポター関連コレクションです。ここには、初版本を含む貴重な書籍、ポター自身の手による原画、そして個人的な書簡などが含まれており、彼女の生涯や創作活動の軌跡を間近に感じることができます。これらの資料の一部は、大学の教授がイギリス留学中に偶然古書店でポターの作品と出会ったことから収集が始まったというエピソードも伝えられています。手持ちがなかったために大学が購入を決定したという話は、この貴重なコレクションがいかにして築かれたかを示す興味深い一幕です。

大東文化大学の取り組み

資料館の運営主体である大東文化大学は、単に資料を展示するだけでなく、ポターの思想にも通じる活動を支援しています。特に、「PETER RABBIT Go Green Project」のサポーター団体として、プロジェクトの理念である「自然と人間と動物の共存」に基づいた環境保護活動に積極的に関わっています。このプロジェクトは、企業や個人といった枠を超え、地球環境のためにできることを実践しようとするものです。大学は、この活動への賛同の意を表し、資料館の入館料の一部を、イギリスで自然景観や歴史的建造物の保護に取り組むナショナル・トラスト（National Trust）へ寄付するという形で貢献しています。これは、ポターがナショナル・トラストに自身の農場や土地を寄贈したこととも繋がる、彼女の遺志を尊重する取り組みと言えるでしょう。

利用案内

所在地

埼玉県東松山市大字岩殿554（埼玉県こども動物自然公園内）

入館料

資料館への入館には、別途、埼玉県こども動物自然公園の入園料が必要です。

高校生以上: 200円
小・中学生: 100円
乳児・幼児: 無料
30名以上の団体: 半額

※ 埼玉県民の日は公園が無料開園となるため、資料館も無料で入館できます。

アクセス

公共交通機関:
東武東上線 高坂駅から川越観光バス「鳩山ニュータウン」ゆきに乗車し、「こども動物自然公園」バス停で下車。
自動車:
関越自動車道 東松山インターチェンジから約5km、または鶴ヶ島インターチェンジから約8km。
国道407号「宮鼻」交差点からは埼玉県道212号を経由して約3kmです。
* 自転車道:
荒川自転車道から分岐する川島こども動物自然公園自転車道（比企自転車道）を利用してアクセスすることも可能です。

ビアトリクス・ポターの描いた世界とその精神に触れることができるこの資料館は、絵本を愛する人々にとって特別な場所となっています。

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