大林寺 (大田区)

大林寺

大林寺（だいりんじ）は、東京都大田区大森中に位置する日蓮宗の寺院です。この寺の山号は長享山薬王院と呼ばれ、旧本山は池上本門寺、さらに池上芳師法縁が関連付けられています。

歴史

大林寺は当初、真言宗の寺院である薬王院として創建されました。その後、長享2年（1488年）には、薬王院の住職であった日円が日位との法論で敗れ、日位が開山となって日蓮宗へと改宗しました。この歴史的な背景が、現在の大林寺の姿を形作っているのです。

寺宝

大林寺は多くの貴重な寺宝を有しています。以下に主なものを挙げます。

• - 釈迦涅槃講式尊円親王の自筆
• - 絵本着色の武田逍遥軒による三面大黒天図
• - 豊臣秀吉からの黒印状で法華宗中宛の免状（七月十八日法華宗免状）
• - 水戸光圀筆の水墨雪中訪師図
• - 日要本尊や日遠本尊、日顕筆の福寿本尊大黒天図などが含まれます。
• - 深草元政筆の書跡や法華経の版本入り箱も重要な文化財です。
• - その他、日深本尊、清正公絵像、日潤筆和歌懐紙、日運筆本尊も所蔵されています。

これらの寺宝は、大林寺の歴史や宗教的意義を深める大変重要な資産となっています。

人物

大林寺には様々な重要人物が関連しており、その中には開山の「日位」と彼の後を継いだ「日円」、さらに教えを広めた「日了」、村民文化に貢献した「日好」などが含まれます。日位は長享3年（1489年）に亡くなりましたが、その影響は今も続いています。日円は日教の兄弟子としても知られ、日了は七面大明神を祀る役割を担っていました。日好は村人にむぎわら細工を教え、大森名物として地域の重要文化に寄与しました。

旧末寺

日蓮宗は昭和16年に本末を解体したため、現在では昔の本山や末寺としての扱いがされています。大林寺もその一つであり、そのために周囲の宗教文化との接点も持ち続けています。

魄光山大森寺

また、お隣には魄光山大森寺（大田区大森南）も存在し、地域に根付いた信仰の拠点となっています。聖地としての重要性があり、寺院間の交流もされています。

参考資料

大林寺の歴史や文化財については、多くの文献によって記録されています。例えば、日蓮宗寺院大鑑編集委員会による『宗祖第七百遠忌記念出版 日蓮宗寺院大鑑』や、『新編武蔵風土記稿』がその代表です。

以上のように、大林寺は東京都大田区における日蓮宗の重要な寺院として、歴史的背景とともに多くの文化財を有する宗教施設としての役割を果たしています。

もう一度検索