大栗子街道

大栗子街道の概要

大栗子街道（だいりっし-かいどう）は、中華人民共和国吉林省白山市の臨江市に位置しています。この地域は長白山と鴨緑江に囲まれ、臨江の中心地から車で約20分ほど下った場所にあります。

歴史的背景

大栗子という名前は、鴨緑江の岸にある2つの大きな石が栗の実に似ていることから名付けられました。1908年には臨江県の洪生保に管轄が移り、その後1912年には第一区文治村、さらに1932年には清化村に編入されることとなります。当時の大栗子は、満州国の重工業開発による事業が主な拠点となっていました。

満州国時代の大栗子

満州国時代には、満州重工業開発の子会社である東辺道開発株式会社が大栗子鉱業所を設立しました。この時期、住居や工場が建設され、鉱山用の鉄道が臨江から延びていきましたが、周囲は依然として寒村の様相を呈していました。

1945年8月には、ソ連の対日参戦によって満州国政府が首都の新京を放棄し、大栗子に疎開しました。鉱業所の住宅は、当時の皇帝であった溥儀の仮御所となり、関係者は社員住宅を宿舎として利用しました。日本の降伏宣言から2日後の8月17日には、満州国の今後の方針を議論する緊急の参議府会議が仮御所で開催され、この結果、8月18日には皇帝の退位式が行われ、満州国は崩壊の運命を迎えることになります。

現代の大栗子街道

1958年には大栗子が鎮に昇格され、2005年には街道に改称されました。現在では、鉄道が廃線となり、かつて大栗子駅があった場所には記念モニュメントが建てられています。また、現在の大栗子街道は、臨江中心部への通勤者にとってのベッドタウンとして再開発が進み、多くの住宅が新たに建設されています。

この地域は、その歴史的背景と共に、今日でも人々の日常生活や文化に影響を与え続けています。大栗子街道は、昔の名残を感じながら、新しい生活の場として発展を遂げているのです。

参考文献

• - 愛新覚羅浩 1984年『「流転の王妃」の昭和史―幻の"満州国" 』主婦と生活社、ISBN 4391108186
• - 邸景一・荻野純一・柳木昭信・今井卓 2007年『旅名人ブックス92　大連と中国・東北歴史散歩』日経BP企画、ISBN 9784861302619

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