大森庸雄

大森 庸雄

1947年1月24日生まれ。日本の音楽評論家、ラジオ番組プロデューサー、ラジオパーソナリティ、そして放送作家として、長年にわたり多角的な活動を展開してきました。特に海外のロックやポップスに関する深い知識と、軽快な語り口で知られています。

音楽評論家・翻訳家として

大森氏は、エリック・クラプトンやスティービー・ワンダー、エアロスミスといった世界のトップアーティストたちへの単独インタビューを数多く実現させ、その肉声や音楽観を日本のファンに伝えてきました。また、ロック音楽に関する論評や解説を多数発表しており、これらの成果は単著としても結実しています。主な著作には、黎明期のポップスを扱った『ティーン・ポップスの本』（ベストセラーズ、1978年）、国内外のロックミュージシャンのエピソードを収めた『ロック豪快伝説』（文藝春秋、2004年／立東舎文庫、2017年）、健康という視点からロックスターに迫った『生きてるぜ!ロックスターの健康長寿力』（PHP研究所、2016年）などがあります。

さらに、海外の音楽関連書籍の翻訳も手がけており、ベイ・シティ・ローラーズの伝記である『ベイ・シティ・ローラーズ―現代の貴公子』（エリス・アレン著、徳間書店、1977年）、『ベイ・シティ・ローラーズ―栄光への道』（タム・ベイトン著、山本沙由理共訳、徳間書店、1977年）や、ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックの公式ストーリー『ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック・ストーリー』（CBS・ソニー出版、1991年）などを日本に紹介しました。日経BP社の雑誌「大人のロック!」では、「とんでもロッカー伝説」と題した連載を持ち、ユニークな視点でロックの世界を描き出しました。

ラジオパーソナリティ・プロデューサーとして

1970年代から1990年代にかけて、大森氏は数多くのラジオ番組でパーソナリティを務め、その親しみやすくも的確なトークで多くのリスナーから支持を集めました。担当した主な番組には、FM-FUJIの『WEEKEND Hi!』（1992年4月〜1999年3月）、FM横浜の『SUPER C.H.R』、Bayfmの『TOKYO BAYLINE 7300』（1993年4月〜1997年3月）や『ラジオのチカラ』、NACK5の『THE TOP 40』、文化放送の『ROCUPATION』、『ミュージックステーション』、『アゼリアPOPパーティー』、そして長寿番組となった『パープルエクスプレス』（1982年10月〜1991年10月）などがあり、その活躍は多岐にわたります。

また、番組のプロデュースにも携わり、文化放送で放送された人気番組『9500万人のポピュラーリクエスト』を手がけました。この番組は後に『全国ポピュラーベストテン』として多くのリスナーに親しまれることとなります。ラジオの世界における大森氏の貢献は、単なる出演者にとどまらず、番組全体の方向性を形作る立場にも及んでいました。

その他の活動と造詣

音楽評論やラジオ以外でも、大森氏は様々な活動を行っています。1973年には音楽グループ「アラジン・スペシャル」の一員として、シングル「がんばれジャイアンツ!!」をリリースしました。この曲は巨人軍を連想させるタイトルですが、内容は異なり、深夜放送で流れたことで話題となりました。

テレビの世界にも登場しており、テレビ朝日系列の『タモリ倶楽部』には、ロック関連の解説者として複数回ゲスト出演しました。特に『ロック豪快伝説』やザ・ローリング・ストーンズの来日公演に関する解説は注目を集めました。また、テレビ神奈川の音楽番組『ミュージックトマト』ではMCを務めるなど、音楽を伝える媒体を選ばず活動しました。

さらに、大森氏は西洋占星術にも深い造詣を持ち、AFA（米国占星学者連盟）の会員でもあります。同じ1947年1月生まれであったデヴィッド・ボウイに対しても深い敬意と知識を持っており、その音楽性だけでなく人物像にも強い関心を示していました。

音楽評論、ラジオ、執筆、翻訳、そして多岐にわたるメディアでの活動を通じて、大森庸雄氏は日本の音楽文化に大きな足跡を残しています。

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