大森義夫 (官僚)

大森義夫について

大森義夫（おおもり よしお、1939年12月22日 - 2016年9月11日）は、日本の警察官僚であり、警察大学校長、内閣情報調査室長を歴任した人物です。退官後は実業家、教育者としても活動しました。

人物

大森氏は、警察官僚として要職を歴任しました。警察大学校長としては後進の育成に尽力し、内閣情報調査室長としては、国家の情報活動の中枢を担いました。また、父は陸上幕僚長、防衛大学校長を務めた大森寛であり、弟には防衛施設庁長官、内閣官房副長官補、駐オマーン大使を歴任した大森敬治がいます。2016年9月11日、腎盂癌のため76歳で亡くなりました。

経歴

大森氏は東京都立両国高等学校を卒業後、1963年に東京大学法学部を卒業。同年、警察庁に入庁しました。その後、以下のような役職を歴任しました。

1964年: 警察庁警備局警備第一課
1968年: 総理府沖縄事務所
1970年: 福岡県警察本部警備部公安第一課長
1972年: 警察大学校教授（警務教養部）
1974年: 香港総領事館領事
1977年: 警察庁警備局外事課理事官
1978年: 警察庁長官官房総務課理事官兼国家公安委員長秘書官
1979年: 警視庁公安部外事第一課長
1980年: 警視庁公安部公安総務課長
1982年: 警察庁警備局公安第三課調査官
1984年: 警察庁刑事局保安部外勤課長
1985年: 鳥取県警察本部長
1986年: 警察庁警備局公安第三課長
1987年: 警察庁警備局公安第一課長
1989年: 警視庁公安部長
1991年: 警察庁長官官房審議官、警察庁長官官房総務審議官
1992年: 警察大学校長
1993年: 内閣官房内閣情報調査室長

1997年に警察庁を退官後、日本電気株式会社（NEC）に入社。顧問、常務取締役、取締役常務、取締役専務などを歴任しました。その後、株式会社荏原製作所の監査役、株式会社ライブドアの監査役も務めました。

2012年4月には日本文化大学の学長に就任し、教育者としても活躍しました。

著書

大森氏は、情報と危機管理に関する複数の著書を執筆しており、その分野の専門家としても知られています。

『「危機管理途上国」日本　万一の事態にどこまで対応できるのか？』（PHP研究所、2000年）
『「インテリジェンス」を一匙　情報と情報組織への招待』（選択エージェンシー、2004年）
『日本のインテリジェンス機関』（文春新書、2005年）
『国家と情報　日本の国益を守るために』（ワック新書判、2006年）

これらの著書は、日本の情報機関や危機管理体制について深く考察しており、専門家だけでなく一般読者にも広く読まれています。

大森義夫は、警察官僚、実業家、教育者として多岐にわたり活躍し、日本の社会に大きく貢献した人物と言えるでしょう。

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