大橋秀雄

大橋 秀雄 - 日本の工学者

大橋 秀雄（おおはし ひでお）、1931年5月10日生まれは、日本の優れた工学者として広く知られています。彼は東京大学名誉教授及び工学院大学名誉教授で、その専門分野は流体工学、流体機械、環境システム工学、さらには工学教育や技術者教育にわたります。

教育と研究の軌跡

東京都で生まれ育った大橋は、新潟県立村松高等学校を卒業後、1954年に東京大学工学部機械工学科を卒業しました。その後、彼は石川島重工株式会社（現IHI）に入社し、1958年にはドイツのブラウンシュヴァイク工科大学に留学。ここで、境界層理論の専門家であるヘルマン・シュリヒティンク教授の指導のもとで工学博士号を取得します。また、故郷の東京大学でも、1963年に工学博士の学位を得ています。

大橋は、東京大学の助教授、教授として33年間、さらに工学院大学で19年間教育・研究に従事しました。彼は、技術者の地位向上を実現すべく、技術者教育認定制度などの基盤作りに尽力しました。2011年には工学院大学の理事長職を退任し、その後も工学院大学や日本工学会、日本技術者教育認定機構（JABEE）の顧問や公益団体の役員として活動を続けています。

表彰と功績

大橋の業績は高く評価されており、彼は多くの賞を受賞しています。具体的には、1969年、1980年、1984年、1993年の日本機械学会論文賞をはじめ、1983年にはターボ機械協会論文賞、1987年には通商産業大臣表彰、さらに1992年には藍綬褒章を受賞しています。1995年には科学技術庁長官賞（原子力安全功労表彰）、1997年には紫綬褒章、2011年には瑞宝中綬章を授与されています。

また彼は、数多くの学会での役職も歴任しており、日本技術者教育認定機構（JABEE）会長（2005-2008年度）、日本工学会会長（1999-2002年度）、日本機械学会会長（1992年度）、ターボ機械協会会長（1990-1992年度）、日本混相流学会会長（1991-1993年度）、そして日本学術会議の第5部長（1997-2000年）などがあります。

著書と作品

大橋は、彼の専門分野に関する多くの著作を発表しています。主な著書には『流体力学 1 標準機械工学講座 11』、さらには『流体機械 応用機械工学全書』『機械工学辞典』などがあり、工学教育に貢献するための資料を整備してきました。また、『これからの技術者 世界に羽ばたくプロを目指して』という著作では、次世代の技術者への期待や教育の重要性についても言及しています。

彼の豊富な経験と知識は、後進への指導を通じて今も生き続けています。大橋秀雄の業績は、工学分野だけでなく、技術者としての資質向上にも大きな影響を与えてきました。

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