日本技術者教育認定機構

一般社団法人日本技術者教育認定機構（JABEE）について

一般社団法人日本技術者教育認定機構（JABEE）は、高等教育機関における技術者教育プログラムの質を保証するための第三者機関です。1999年11月に設立され、技術者教育プログラムの審査・認定を通じて、国際的に活躍できる技術者の育成を支援しています。

設立の背景と目的

JABEEは、技術者の国際的な活躍と、そのために必要な教育の質を保証するという社会的ニーズに応えるために設立されました。大学や高等専門学校などの高等教育機関における技術者教育プログラムを審査・認定することにより、教育内容の改善を促進し、国際的な通用性を担保することを目的としています。

組織と運営

JABEEは、理工農系の技術分野を代表する専門学協会や公益社団法人日本技術士会を正会員とし、企業等の団体を賛助会員として運営されています。認定・審査は、正会員の学会等に所属する技術者や教員によって実施されています。

認定プログラム

JABEEは、高等教育機関における学士課程および修士課程の技術者教育プログラムを認定しています。2001年から学士レベルの認定を開始し、2022年までに約170の高等教育機関の約520プログラムが認定され、34万人以上の修了生を輩出しています。2007年からは、大学院修士課程の認定も開始しています。

ワシントン協定への加盟

JABEEは、2005年6月にワシントン協定に加盟しました。これにより、JABEEが認定した教育プログラムは国際的な同等性が認められ、修了生の海外での活躍を後押ししています。

技術者教育プログラムとは

技術者教育プログラムとは、工学（エンジニアリング）分野の専門職であるエンジニアを育成するための職業教育プログラムです。このプログラムは、科学技術研究者や技術者を含む幅広い人材を育成対象としています。同様の制度は、米国や英国をはじめとする多くの国で導入され、長い歴史を持っています。

JABEEの認定基準と審査

JABEEの認定は、教育プログラムの成果（アウトカムズ）を重視した評価を行います。学士レベルの認定基準は、以下の4つの基準で構成されています。

1. 学習・教育目標の設定と公開
自立した技術者像の設定と公開・周知
学習・教育到達目標の設定と公開・周知
2. 教育手段
カリキュラム・ポリシーに基づく教育課程、科目の設計と開示
シラバスに基づく教育の実施と主体的な学習の促進
教員団、教育支援体制の整備と教育の実施
アドミッション・ポリシーとそれに基づく学生の受け入れ
教育環境及び学習支援環境の運用と開示
3. 学習・教育到達目標の達成
学習・教育到達目標の達成
知識・能力観点から見た修了生の到達度点検
4. 教育改善
内部質保証システムの構成・実施と開示
継続的改善

認定審査のプロセス

プログラムの認定を受けるためには、上記のすべての基準を満たす必要があります。認定の有効期間は最長6年間で、継続審査を受けることで更新が可能です。審査は、教育界と産業界の専門家からなる審査チームが、自己点検書の書類審査と実地審査を行います。実地審査では、試験問題やレポートの確認、教育環境の視察、学生や企業関係者との意見交換などが行われます。審査結果は、認定会議で審議され、認定の可否が決定されます。

技術士制度との連携

JABEE認定プログラムの修了者は、技術士第一次試験が免除され、修習技術者として認められます。その後、実務経験を経て技術士第二次試験に合格することで、国家資格である技術士の資格を取得することができます。

関連情報

認定校制度（アクレディテーション）
ワシントン協定
高等教育
職業教育
技術士
日本技術士会
アウトカムに基づく教育

外部リンク

日本技術者教育認定機構(JABEE)
Washington Accord

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