大江湿原

大江湿原

大江湿原は、尾瀬沼の最上流、ひいては只見川の源流に位置する湿原です。大江川が湿原の中央を流れているため、大江川湿原とも呼ばれています。尾瀬では尾瀬ヶ原に次ぐ規模を誇り、豊かな自然が広がっています。

概要

大江湿原は、尾瀬沼が長い年月をかけて湿原化したものと考えられています。完全に湿原化した尾瀬ヶ原とは異なり、大江湿原では湿原化の過程を観察できるのが特徴です。尾瀬沼との接点付近には長蔵小屋があり、尾瀬沼から湿原を遡ると、沼山峠へと続く本道と小淵沢田代へ向かう分岐点があります。

沼山峠は太平洋側と日本海側の分水嶺ではありませんが、小淵沢田代は分水嶺となっており、同時に群馬県と福島県の県境にもなっています。県境は小淵沢田代の西側で分水嶺から外れ、長蔵小屋からの登山道沿いに続いています。

大江湿原では、水芭蕉はあまり見られませんが、7月下旬になるとニッコウキスゲが群生し、一面を黄色に染め上げます。標高は1,665mと尾瀬ヶ原よりも約265m高いため、ニッコウキスゲの開花時期は尾瀬ヶ原よりも通常1週間ほど遅れます。

会津沼田街道は、かつて沼田と会津を結ぶ重要な街道であり、三平峠から沼山峠を抜けていました。現在、湿原の中心部を通る木道は、この街道の一部を成しています。過去には、この区間を車道化する計画がありましたが、自然保護の観点から見送られました。

アクセス

大江湿原へのアクセス方法としては、沼山峠休憩所から湿原の最上流部にアクセスするのが最も手軽です。沼山峠休憩所へは、御池からピストン輸送のバスが運行されています。群馬県側からアクセスする場合は、大清水から三平峠を越えるルートとなり、やや長丁場となります。

小淵沢田代から分水嶺沿いの登山道を東に進むと、福島県、群馬県、栃木県の県境である黒岩山に到達します。そこから群馬県と栃木県の県境を南下すると鬼怒沼、さらに栃木県側に下ると奥鬼怒温泉郷へと続きます。このルートは、大江湿原に入る最も長いコースとなります。

その他

会津戦争の際には、会津藩が防御のために築いた土塁が湿原内に残っています。これは、歴史的な遺産として貴重な存在です。

関連項目

* 尾瀬国立公園

大江湿原は、豊かな自然と歴史が織りなす魅力的な場所です。木道を歩きながら、四季折々の風景や貴重な動植物を観察し、自然の恵みを満喫してください。

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