大洋映画劇場

大洋映画劇場の歴史と特徴

大洋映画劇場（たいようえいがげきじょう）は、福岡県福岡市博多区中洲に位置していた映画館で「中洲大洋」とも呼ばれました。1946年に開館し、2024年3月に閉館するまで、福岡の映画界で重要な役割を果たしてきました。この劇場は新たなコミュニティの場となることを目指し、数々の名作映画が上映されたことで知られています。現在、閉館した跡地には新しいビルが建設される予定です。

開館からの歴史

大洋映画劇場は、1946年4月3日に洋画ロードショー館としてオープンしました。当初の上映作『チャップリンの黄金狂時代』は、わずか2週間で60000人を超える観客を動員し、好評を博しました。創業者の岡部重蔵は、戦争による混乱の中で福岡市を元気づけるために、この映画館を設立したと言われています。最初は木造でしたが、1952年には鉄筋コンクリート造の4階建てへと改築されました。

1958年には洋画専門館に転向し、以降は人気の洋画作品が多く上映されるようになりました。時代の流れとともに映画の傾向も変わり、同劇場は1978年に「ニュー大洋」を新設、1980年には「大洋シネサロン」をオープンし、さらには1999年に全スクリーン名を「中洲大洋」に統一しました。これは劇場のブランドを一新する大きなステップでした。さらに、2011年からはデジタル上映システムが導入され、上映技術も進化を遂げました。

映画館の特徴

映画館は当時の洋画、邦画の大作を多く上映し、観客のニーズに応えていました。中洲大洋には以下の4つのスクリーンがありました。

• - 中洲大洋1（2階）: 定員301席、主に大作・話題作が上演され、ドルビーデジタル・DTSに対応。
• - 中洲大洋2（4階）: 定員150席（以前は213席）。開業当初はニュー大洋として知られていた。
• - 中洲大洋3（4階）: 定員85席、1989年の開業時はニュー大洋2という名称。
• - 中洲大洋4（4階）: 定員60席。当初は名画座として過去の名作を多く上映していた。

劇場はその歴史の中で多くの名作を上映してきました。中でも『E.T.』は、半年間で16万人を動員する大ヒットを記録しました。また『ジョーズ』は観客動員数10万人を超えた作品としても知られています。

映画館の終焉と新たな始まり

2020年には新型コロナウイルスの影響で臨時休館を余儀なくされ、2024年3月末に劇場が閉館することとなりました。建物の老朽化も一因とされています。しかし、その跡地には再度の開発が計画されており、映画で培った文化が新たな形で未来に受け継がれることが期待されています。

大洋映画劇場は、福岡の映画文化の中心として多くの人々に愛され、長い歴史を刻んできました。跡地の新しいプロジェクトがどのように吠え、またその文化を今後も育んでいくのか、注目が集まっています。

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