ドルビーデジタル

ドルビーデジタル概要

ドルビーデジタル（Dolby Digital、別名AC-3）は、ドルビーラボラトリーズが開発した音声デジタル符号化方式です。この技術は、映画音声やDVD、さらにはゲーム機など多様なメディアで広く用いられています。特に、映画や家庭用ゲーム機において、その重要性は増しています。

音声圧縮と伝送方式

ドルビーデジタルは、1.0chのモノラルから5.1chのサラウンド音声まで、音声データをデジタルで圧縮し、記録媒体の容量を節約します。このような音声は、S/PDIFやHDMIケーブルを通じて伝送されます。ドルビーデジタルは1996年に登場し、家庭用のレーザーディスクやDVDに最初に採用され、音声再生の新時代を迎えました。

映画では、音声がフィルムのパーフォレーション間に光学的に記録される過程で、主に5.1chのサラウンド音声がドルビーデジタルでエンコードされます。日本の映画館のほとんどがこのデジタル音響システムに対応しており、これにより多くの映画が高品質な音声で提供されています。

歴史と普及

ドルビーデジタルは、映画『バットマン リターンズ』で初めて採用され、続いて『ゴジラvsメカゴジラ』や『耳をすませば』といった作品でも利用されました。これに伴い、映画館や家庭用ゲーム機でもこの技術が標準的に使われるようになりました。

また、2017年にはこの技術の関連特許が失効し、その後はドルビーアトモスやPlayStation 5|PlayStation_5向けの独自規格が登場しています。2022年以降は、ドルビーデジタルという名称ではなく「ドルビーオーディオ」が多く用いられるようになっています。

拡張規格

ドルビーデジタルには、いくつかの拡張規格が存在します。例えば、ドルビーデジタルサラウンドEXはリアセンターを加えた6.1chサラウンド形式で、通常のドルビーデジタルと互換性があります。また、ドルビーデジタルライブはPC向けのサラウンド規格で、サウンドカードの性能を高め、S/PDIF経由でサラウンド音声の出力を可能にします。

さらに、ドルビーデジタルプラス（Enhanced AC-3）はBlu-rayやHD DVDで採用されている次世代サラウンド技術であり、最大7.1chの音声を収録できます。ドルビーTrueHDは、BDビデオやHD DVDで使用される音声技術で、より高品質な音声体験を提供します。

音声記録フォーマット

音声記録技術としては、ドルビーデジタルレコーディングやドルビーデジタルステレオクリエーターなどがあり、これらはさまざまなメディアでステレオやサラウンド音声を効果的に記録するための手段を提供します。特に、ドルビーデジタル5.1クリエーターは、より簡単に5.1ch音声を記録するための便利なフォーマットとして多くのデバイスに導入されています。

ドルビーデジタルは、映画やゲームにおける音声技術として非常に重要であり、今後もこの分野での革新や進化が期待されています。

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