大津テレビ送信所・中継局

大津テレビ送信所・中継局

滋賀県大津市の宇佐山山頂に位置する「大津テレビ送信所・中継局」は、滋賀県内向けのテレビ放送（びわ湖放送）の親局であり、近畿広域圏を放送エリアとするNHK大阪放送局（教育テレビ）および在阪民放各社の中継局としての機能を果たす、県内の主要な電波送信施設です。

沿革

この施設の起源は1960年に遡ります。近畿地方の中心部から地理的に離れている滋賀県へのテレビ電波供給改善のため、まずNHK大阪放送局がVHF帯による実験的な中継局として開設しました。その後、NHKが各府県単位での総合テレビジョン放送を開始する計画に伴い、UHF帯での本放送へと転換。設備の管理・運営はNHK大津放送局に移管されました。

さらに、地元民放であるびわ湖放送（BBC）がここを親局として開局。加えて、毎日放送、朝日放送テレビ、関西テレビ放送、讀賣テレビ放送といった在阪広域民放各社も滋賀県をカバーするための中継局を設置し、多数の放送事業者が電波を出す共用施設となっていきました。

デジタル放送化とエリア

2000年代後半からの地上デジタルテレビジョン放送への移行に際し、NHK大津総合とNHK大阪教育が比較的早くデジタル送信を開始。その後、BBCおよび在阪広域民放各社もデジタル設備の運用を始め、アナログ放送は2011年7月24日に全国一斉に終了しました。

この送信所は、大津市の南西端に位置し、主に東側や琵琶湖方向に向けて電波が強く飛ぶように指向性が設定されています。これにより、大津市をはじめとする滋賀県南西部や琵琶湖沿岸部など、広い範囲へ安定した電波を供給しています。

施設概要

施設は滋賀県大津市錦織町平尾487番地の宇佐山山頂にありますが、安全上の理由から関係者以外の立ち入りは禁止されています。

現在稼働している地上デジタルテレビジョン放送設備において、びわ湖放送は県域放送の親局、NHK大阪教育テレビおよび在阪広域民放各社は中継局として位置づけられています。デジタル放送の中継局「局名」表記は、アナログ時代とは異なるルールがあります。

過去の地上アナログテレビジョン放送設備は、デジタル移行に伴い2011年7月24日に廃止されました。アナログ放送時代には、NHK大津総合が2ch、BBCが3ch、MBSが4ch、ABCが6ch、KTVが8ch、YTVが10ch、NHK教育が12chといったチャンネルが使われていました。

なお、この施設を利用する放送事業者によって、正式な名称が異なる場合があり、例えばNHKは「宇佐山テレビ放送所」、BBCは「宇佐山送信所」、在阪広域民放は「大津テレビジョン放送局」と称しています。

補足

地上デジタル放送におけるNHK大阪教育テレビおよび在阪広域民放各局の送信出力は、アナログ時代の実質的な出力と比較して約3倍に増力されており、対象エリア内での受信品質向上に寄与しています。

関連

この送信所・中継局に設備を置く主な放送事業者には、NHK大津放送局、NHK大阪放送局、びわ湖放送、毎日放送、朝日放送テレビ、関西テレビ放送、讀賣テレビ放送があります。また、近畿圏には生駒山や摩耶山など、他にも主要なテレビ・FM送信所や基幹中継局が存在します。

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