大津裕太

大津 裕太（おおつ ゆうた）氏は、1983年3月15日生まれの日本の政治家です。京都府八幡市出身で、現在は京都市会議員として活動しており、地域政党である京都党の幹事長を務めています。

生い立ちと学歴、社会人経験

京都府八幡市で生まれた大津氏は、東大寺学園中学校・高等学校を経て、京都大学経済学部に進学しました。大学時代はNPO活動に力を入れ、学生が運営する着物店「ichi.man.ben」の創設に携わるなど、積極的に社会との関わりを持ちました。

2005年に大学を卒業後、株式会社リクルートエージェント（現在の株式会社リクルートキャリア）に入社し、中途採用の業務に携わりました。企業と求職者のマッチングを行う中で、「地元である関西の雇用状況をもっと良くしたい」という思いが募り、関西へUターンを決意します。その後、税理士法人に転職し、コンサルタントとして勤務しました。この税理士法人での経験を通じて、雇用問題や地域経済への関心を深め、政治を通じて課題解決を図りたいと考えるようになります。地域に根差した政治活動を行う京都党の政治塾に参加したことが、政治家への道を歩む決定的な契機となったと述べています。

政治経歴

大津氏の政治家としてのキャリアは、2013年7月に行われた京都市会議員補欠選挙（中京区）への挑戦から始まりました。地域政党京都党の公認候補として立候補しましたが、この時は当選に至りませんでした。しかし、その経験を経て、2015年の第18回統一地方選挙における京都市議会議員選挙（中京区）にて初当選を果たしました。この選挙では、同党の現職議員であった佐々木隆吏氏が府議選へ鞍替えした後の議席を引き継ぐ形となりました。初当選後、同年5月には京都党の政務調査会長に就任し、政策立案の中心的な役割を担いました。

続く2019年の第19回統一地方選挙においても京都市議選（中京区）で再選を果たし、2期目を務めました。さらに、現在の京都市会議員（3期）という肩書から、2023年の統一地方選挙でも当選したことが示唆されます。党内においては、2020年8月の役員人事で幹事長に昇格し、党の運営において重要な役割を担っています。

市政における主な活動

京都市会議員として、大津氏は様々な市政課題について積極的に提言を行っています。特に注目を集めたのは、2020年10月9日の市会決算特別委員会での質疑です。大津氏は、嵐山や伏見稲荷大社周辺といった観光地や繁華街で指定された美化推進強化区域におけるポイ捨てを禁じ、違反者に3万円以下の罰金を科すとする「市美化推進条例」（通称：ポイ捨て条例）について取り上げました。

新型コロナウイルス感染拡大以前は、観光客の急増に伴うごみのポイ捨てが地域で問題化していた背景がありましたが、大津氏は条例が施行されてから23年間、実際に罰金が科された事例がゼロであることを指摘しました。その上で、「市民が条例の内容を十分に把握しているとは思えない」「上限3万円という罰金の設定も現実的ではないのではないか」と述べ、市民への周知徹底が不十分である点を指摘しました。そして、条例の実効性を高めるため、市に対して条例そのものの見直しを強く求めました。

条例施行後、一度も罰金適用例がなかったという事実が明らかになったこの質疑は大きな反響を呼び、読売新聞などの主要メディアにも取り上げられるなど、広く注目を集めることとなりました。この活動は、既存の条例の実効性に対する鋭い問題意識と、市民生活に根ざした課題解決への意欲を示すものと言えます。

政策

大津氏が掲げる主な政策には、子育て世代が安心して暮らせるよう、ファミリー向けマンションの供給増強を目指すこと。また、京都の強みである大学を核として優秀な人材を育成・輩出し、魅力的な人材供給基地としての地位を確立することで、市内への優良企業の誘致を促進すること。高齢化社会に対応するため、認知症の予防と自立支援介護の推進を図ること。増加傾向にある不登校児童に対して、当事者の視点に立ったきめ細やかな支援を提供すること。中学校での全員制給食の実現。子どもの医療費無償化対象の拡大。そして、民間の資本や活力を積極的に活用し、税金に過度に依存しない公共政策を推進することなど、多岐にわたります。

著作

共著として、かもめ地域創生研究所が編集した『リクルートOBのすごいまちづくり 議員という仕事』（CAP、2022年6月14日）に寄稿しています。自身の経験や政治家としての考え方について述べているとみられます。

京都市会議員として、地域課題の解決と市民生活の向上を目指し、精力的に活動を続けています。

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