大潭発電所

大潭発電所（だいたんはつでんしょ、Tatan Power Plant）は、台湾電力公司が桃園市観音区に設置・所有する火力発電所です。

概要

この発電所は、液化天然ガス（LNG）を主要な燃料とするガスタービン・コンバインドサイクル方式を採用しています。1号機から6号機までは三菱重工業製、7号機はGE（ゼネラル・エレクトリック）製であり、その最大出力は合計で498.4万kWに達します。台湾国内では台中発電所に次ぐ、2番目の発電規模を誇ります。アジア地域においても、最大級のLNG火力発電所の一つとして位置づけられています。

さらに、発電能力の増強を図るため、2019年2月21日には8号機と9号機の増設が発表されました。これらの増設ユニットには、7号機と同様にGE製の設備が導入される予定です。当初の計画では、2022年12月に完工し、総出力は約700万kWとなり、台湾最大の発電所となる見込みです。この増設計画により、大潭発電所は台湾の電力供給において、さらに重要な役割を果たすことになります。

歴史

大潭発電所の建設は2001年に開始され、2005年に1号機が完成しました。翌2006年からは営業運転が開始されました。初期段階では、複数の発電ユニットが順次稼働を開始し、台湾の電力需要を支えてきました。

しかし、2017年8月15日の午後には、6基の発電ユニットが全面停止し、台湾全土で約668万戸に及ぶ大規模な停電が発生するという事態が発生しました。この停電は、台湾の電力インフラにおける脆弱性を露呈させる出来事となりました。

その後、2017年には増設された7号機の運転が開始されました。7号機の導入により、発電所の総出力は大幅に増加しました。しかし、前述の停電事件を教訓に、安定した電力供給の確保と、電力インフラの強化が急務とされています。

大潭発電所は、台湾の経済成長と国民生活を支える重要なエネルギーインフラとして、今後もその役割を担い続けるでしょう。最新技術の導入と安定運転の継続により、更なる貢献が期待されています。

まとめ

大潭発電所は、台湾の電力供給を支える重要な拠点であり、その増強計画は、台湾の電力安定化に向けた取り組みの重要な一部分です。再生可能エネルギーへの移行が進む中でも、火力発電所は依然として重要な役割を担っており、大潭発電所の動向は、台湾のエネルギー政策においても、重要な指標となります。

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