大熊幹章

大熊 幹章（おおくま もとあき）

大熊幹章は1936年8月16日に東京で生まれた日本の林学者で、農学博士の学位を持つ。彼は東京大学名誉教授として知られ、専門は林産学および生物資源科学である。大熊は、日本学術会議の第16期メンバーとしても活動した。

来歴

大熊は1960年、東京大学の農学部林産学科を卒業し、その後大学院を修了した。彼は1971年に農学博士の学位を取得し、論文のテーマは「合板の機械的性質に関する研究」であった。1977年から1997年まで、東京大学農学部の教授を務め、同大学の名誉教授として定年退官した後も教育と研究に力を注ぎ続けた。退官後は、1997年から2000年まで九州大学農学部の教授を務めた。

その後、宮崎県林務部の顧問となり、宮崎県木材利用技術センターの設立に貢献した。2001年に同センターの所長に就任し、2005年から2007年まで独立行政法人森林総合研究所の理事長を務めるなど、林業界への影響力を拡大させた。

主な業績

大熊は学術界での存在感を発揮し、日本木材学会の会長、日本農学会の会長、木質構造研究会の名誉会長、日本木材加工技術協会の会長など、多くの各学会で重要な役職を歴任した。特に、2002年には木質構造研究会において「大熊幹章賞」が創設され、優れた業績を持つ研究者が表彰されることとなった。彼の影響力は業界に留まらず、学術の発展にも寄与している。

表彰歴

大熊は、さまざまな名誉ある賞を受賞している。1968年には日本木材学会賞、1995年には日本木材加工技術協会会長賞、1998年には読売農学賞を受賞している。また、2001年には紫綬褒章、2012年には瑞宝中綬章を受章し、その功績が高く評価されている。これらの表彰は、彼の専門分野における業績と影響力を示すものである。

著作

大熊は多くの著作を出版しており、その中には『地球環境保全と木材利用』という単著（2003年、全国林業改良普及協会）や、『木材の工学』という共著（1991年、文永堂出版）がある。彼の著作は林産学の理論や実践に関する知識を広めることに寄与しており、後世の研究者たちにも影響を与えている。

大熊幹章は、その研究や教学を通じて、林業における持続可能性や資源利用の重要性を訴え、幅広い分野で貢献を続ける日本の重要な学者である。

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