大熊清

大熊清: サッカー選手から指導者へ

大熊清（おおくま きよし）は、1964年6月21日生まれの元サッカー選手およびサッカー指導者で、埼玉県浦和市にルーツを持つ。現役時代はディフェンダーとして日本のサッカーシーンで活躍し、多数のクラブおよび代表チームにおいて指導者としても手腕を発揮してきた。彼の実弟である大熊裕司もサッカー指導者として知られており、また、大熊健太は彼の息子である。

選手時代のキャリア

大熊は1980年に浦和市立南高校へ入学し、サッカー部に所属しながら埼玉県選抜として全国大会に出場。1983年には全国高等学校サッカー選手権大会でベスト8に進出するなど、若い頃からその才能を発揮した。卒業後は中央大学へ進学し、サッカー部での活動を続けた。1987年には東京ガスに加入し、関東リーグでのプレーを経て、1991年には日本サッカーリーグ（JSL）2部昇格を果たし、守備の要となった。1992年にはジャパンフットボールリーグ（JFL）の1部にまで昇格し、アマラオとも共演した。

指導者への転身

現役引退後、大熊は即座に指導者としての道を歩む。1993年からは中央大学のコーチを務め、翌年から東京ガス・サッカー部のコーチとなる。その後、1995年には東京ガスの監督に就任し、チームを引っ張る立場となった。彼の指導の下、東京ガスはJFLで優勝を果たし、Jリーグへと昇格を果たした。

特に注目すべきは1999年のFC東京としてのプロ化後、Jリーグ2部での戦績が好調であったことだ。大熊監督は攻撃的なショートカウンター戦術を志向し、チームの適応力を高めた。開幕戦では横浜FM相手に評価される戦いを見せ、アジアサッカー連盟の最優秀監督賞も受賞する快挙を成し遂げた。

日本代表への関与

2002年からは、日本サッカー協会の技术委員を務め、U-19日本代表の監督に任命される。彼はこの役割の中でサッカー界におけるリーダーシップを発揮し、アジアユース選手権での準優勝などの成果を上げた。2006年からはサッカー日本代表のコーチとしても活動し、2010年の南アフリカワールドカップを経験した。

FC東京への再登板・他クラブでの指導

2010年にはFC東京の監督に復帰。先任の城福浩監督が退任した後、チームの立て直しを図るが、最終的にJ2降格を喫してしまう。しかし、翌年にはJ2優勝を果たし、1年でのJ1復帰を成し遂げた。2012年にはテクニカルディレクターに就任し、下部組織の育成やクラブのスタイルの確立に寄与した。

さらに、2014年からは大宮アルディージャの監督に就任。その後のセレッソ大阪での強化部長・監督を経て、2019年から清水エスパルスのGMとしての役割を担うこととなる。2024年には京都サンガF.C.のGMに就任する予定であり、サッカー界における大熊の影響力は依然として健在である。

最後に

大熊清は、選手時代から監督・指導者のキャリアに至るまで、日本のサッカー界に多大な影響を与えてきた。彼の厳しい練習方法と情熱的な指導スタイルは、多くの選手たちに受け入れられ、彼自身も「熊」という愛称で親しまれている。サッカーの本質を理解した指導者として、今後の活躍にも期待が高まる。

もう一度検索