大甕神社

大甕神社について

大甕神社（おおみかじんじゃ）は、茨城県日立市大みか町に位置し、地元の信仰を集めている古い神社です。主祭神には建葉槌命（たけはづちのみこと）が祀られ、一緒に地主神として甕星香々背男（みかぼしかがせお）も崇められています。神社の伝承によると、建葉槌命は、他の神々が邪悪な存在を制圧する際に、抵抗を示した星の神を服従させるために使者として派遣されたとされています。

祭神と神話

大甕神社の祭神にまつわる物語は『日本書紀』にも登場しています。神々は力を合わせて邪神を排除しましたが、香香背男は従わず、そこで建葉槌命が送り込まれました。この話は、水戸藩の神名録にも見られ、当社は「倭文神宮」として記載されています。また、伝説では、石名坂に存在する石が天に達しようとする際に、その神が鉄の靴で蹴散らすことで、石が砕かれ、かけらが現在の河原子と石神に落ちたとされています。

歴史詳細

創建についての伝承は皇紀元年（紀元前660年）に遡り、当初は大甕山の上に存在していました。しかし、元禄8年に水戸藩主の徳川光圀の命により、現在の位置に遷座されることとなります。この時点で、甕星香々背男の磐座が定められ、地域の守りとして三村の鎮守とされました。この移転には寄進もあったと伝えられています。

境内と施設

神社の境内は、南東の鳥居をくぐると拝殿が見え、その右奥には甕星香々背男の魂を鎮める宿魂石が存在します。この宿魂石の上に本殿が立てられており、神社にはまた甕星香々背男社も設けられています。また、境内には大鳥居もあり、こちらは裏参道に位置します。境内社としては、稲荷神社、大杉神社、八坂神社、天満神社があり、地域の庶民の信仰の対象となっています。

祭事について

大甕神社では年間を通じて様々な祭りが行われています。具体的には、祈年祭（1月15日）、節分祭（2月3日）、例大祭（5月5日）、甕星祭（7月7日）、祖霊祭（8月12日）、おどう祭（秋季例祭、11月2日-3日）、新嘗祭（11月23日）などがあります。特に、式年大祭は6年に1度の周期で行われ、申・寅の年に神輿を使用しての神事が行われます。神輿は天皇の高御座を模した八角形で、この大祭の際にのみ使用される特別なものです。

アクセス情報

大甕神社は茨城県日立市大みか町6丁目16番1号に位置し、アクセスも便利です。最寄りの鉄道はJR常磐線の大甕駅となっており、駅からは徒歩約15分の距離にあります。また、車の場合は常磐自動車道の日立南太田ICから約4kmの距離です。神社の周辺には、地域の歴史や文化を知るための資料も多く点在しています。

大甕神社は地域の重要な拠点であり、古い歴史の中で培われた信仰を今に伝える場所です。

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