大畑創

大畑創（おおはた はじめ）は、1979年2月15日に大阪府で生まれた日本の映画監督です。

彼は映画製作の道を志し、映画美学校の第9期フィクション・コース高等科で専門的な学びを深めました。その才能は早くから認められ、2009年に発表した自身の監督作品『大拳銃』は、国内外の映画祭で高い評価を受けました。この作品は、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて審査員特別賞を受賞したほか、第31回ぴあフィルムフェスティバル（PFF）でも審査員特別賞を受賞するという快挙を成し遂げ、インディーズ映画界で注目を集める存在となりました。

『大拳銃』での成功を機に、大畑監督は活動の場を広げます。テレビドラマ『怪談新耳袋 百物語』に参加したことは、彼にとって商業作品の世界への本格的なデビューとなりました。この経験を通じて、ホラーや怪談といったジャンルへの関わりを深めていきます。

2012年には、彼の監督作品であるホラー映画『へんげ』が、アメリカで開催された第16回ファンタスティック・フェストのホラー部門で審査員特別賞を獲得しました。この受賞をきっかけに、『へんげ』は各地の海外映画祭で次々と上映され、国際的な注目を集めました。その独特の世界観と表現が評価され、最終的には日本国内での劇場公開も果たし、多くの観客に彼の名前を知らしめることとなりました。

大畑監督のフィルモグラフィーは多岐にわたります。初期の代表作である『大拳銃』（2008年）や、海外で高く評価された『へんげ』（2011年）といった自主製作的な作品から、『劇場版 稲川怪談 かたりべ』（2014年）や『鬼談百景』の一編（2015年）のような怪談作品、テレビドラマ『怪談新耳袋 百物語』の一編「庭の木」（2010年）、「拝み屋怪談」シリーズ（2018年、2019年）といったホラー作品まで、コンスタントに作品を発表しています。

また、オムニバス映画『ABC・オブ・デス2』に「OCHLOCRACY」（2015年）として参加したり、アイドルグループHKT48とのコラボ企画『HKT48×48人の映画監督たち』の一編「SUBTERRANEAN WORLD」（2018年）を手がけたりと、企画性の高い作品にも携わっています。『リアル鬼ごっこライジング』の一編「佐藤さんを探せ！」（2015年）や『EVIL IDOL SONG』（2016年）など、B級テイストや特撮要素を含む作品にも才能を発揮しています。

映画やテレビ以外にも、活動範囲は広がっています。オリジナルビデオシリーズ『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!FILE-01【口裂け女捕獲作戦】』（2012年）には俳優として出演しています。さらに、田口清隆監督と共同でプロモーションビデオ「ハカイジュウ」（2012年）を制作したり、VRドラマ「GR ~ghost reality~」（2018年）を監督するなど、新しいメディアや表現手法にも積極的に挑戦しています。近年では、幾田りらの楽曲「P.S.」（2023年）のミュージックビデオを手がけるなど、活躍の場は広がり続けています。

一貫して、ホラーやファンタジー、特撮といったジャンルへの深い愛情と、それらを独自の視点で表現する手腕は、彼の作品群を通じて確認できます。インディーズでの評価から商業作品、国際的な注目まで、多角的なキャリアを築いている映画監督です。

もう一度検索