大相撲刑事

大相撲刑事（おおずもうデカ）

『大相撲刑事』は、日本の漫画作家ガチョン太朗によって1992年に発表された作品であり、ユニークなストーリーと個性的なキャラクターで人気を博しました。本作品は、話数が大字表記で表されており、その最終回は「千秋楽」として締めくくられます。物語の舞台は、両国県警察の捜査課で、元FBI捜査官「大関」が凶悪犯と相撲を交えながら取り締まるという異色の内容です。

あらすじ

物語は、両国県警に赴任した元FBI捜査官の大関が主人公です。大関は相撲に情熱を持ち、通常の捜査を忘れがちな一面を持っています。彼は、凶悪犯を捕まえるために相撲を取り入れることで、犯罪との戦いに新しい風を吹き込みます。肉体的な対決だけではなく、精神的な成長も促す形で、凶悪犯たちに相撲の修行をさせたり、時には両国国技館に入ることを禁じたりする奇行を繰り返します。大関の行動に振り回される周囲の人間たちの反応も描かれており、そこから生まれるコメディ要素が作品の魅力となっています。

登場人物

大関（おおぜき）

元FBI捜査官である大関は、両国県警の刑事という異色の経歴を持っています。彼は常に化粧廻しに大銀杏を結い、警察内外でも土俵を持ち込んでしまいます。犯罪者を取り締まる意欲は高いものの、相撲に対する情熱が先行し、肝心の捜査を後回しにすることが多々あります。彼による逮捕によって、犯人たちにはユニークな課題が与えられ、例えば「木工用ボンドと登校拒否の関係」といった不思議なテーマのレポートが要求されます。これにより、犯罪者たちは驚きや戸惑いを覚えつつ、奇妙な経験を強いられるのです。

今井一（いまい はじめ）

両国県警の若手刑事であり、大関のツッコミ役を担っています。警察官になるきっかけは、彼が憧れる星野課長の影響であり、その影響を受けている一方で、大関の奇行に振り回される日々を送っています。彼の個性は、時に変なことに納得することもあり、実際には一度トリカブト入りちゃんこ鍋を口にして危うく命を落としかける体験もしていますが、その後は大関に助けられる場面もあります。

星野王子（ほしの おうじ）

両国県警のそーさ課長であり、周囲からの印象は温厚でありますが、実は警察において非常に高い検挙率を誇る敏腕です。大関の行動に理解を示す数少ない人物であり、そのため、大関は彼に対して敬語を使うこともしばしばです。一見すると普通の上司に見えますが、実は少ない言動の中に深い理解を示すことで、大関を支えています。

桜井政吉（さくらい まさきち）

暴力団関東集英会の幹部であり、かつては恐れられた存在です。彼は「メンチの政」として知られており、大関に敗れたことから彼にしばしば呼び出しを受けることになります。表向きは暴力団から足を洗ったと言いながらも、実際には大関に対しては従順で、部下たちに大関の言いなりになるよう命じる姿から、彼の内心に葛藤があることが伺えます。

まとめ

『大相撲刑事』は、ユーモアと相撲の要素を融合させ、独自のスタイルで描かれる犯罪捜査の物語です。大関を中心としたキャラクターたちの個性豊かなやり取りが作品を彩る中、彼らはどのようにしてさまざまな問題を解決していくのかが見どころです。連載後には彼の過去を描いたスピンオフも生まれ、さらなる深みを持つこととなりました。

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