大石くう

大石くう（おおいし くう）は、元禄3年（1690年）に、赤穂藩の筆頭家老であった大石良雄（おおいし よしお）とその妻りく（香林院）の間に、長女として誕生しました。彼女は、赤穂の大石邸で産声を上げ、幼少期を過ごしました。

元禄14年（1701年）、赤穂藩が改易されるという出来事が起こり、大石家もその影響を受け、屋敷は召し上げられることとなりました。そのため、くうは母であるりく、兄の良金（よしかね）、弟の吉之進（よしのしん）、妹のるりとともに、母の実家がある但馬国豊岡藩の石束毎公邸へと移り住みました。

その後、父である良雄が山科に住居を構えたため、くうは母りくや他の兄弟たちと共に山科へと移りました。しかし、吉良家への討ち入り計画が具体化するにつれて、大石家にも変化が訪れます。討ち入りに参加を強く希望した長男の良金を除き、大石良雄は、妻りくや他の子供たちを連座から守るため、彼らと絶縁するという苦渋の決断をしました。

その結果、元禄15年（1702年）4月15日、くうは母りくと共に但馬豊岡へと戻ることになりました。この出来事は、赤穂事件として歴史に刻まれることになります。

くうは、宝永元年（1704年）9月29日に、わずか15歳という若さでこの世を去りました。彼女の短い生涯は、豊岡の正福寺に眠っています。法名は正覚院本光妙智信女とされています。

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