大禅寺 (関市)

大禅寺は、岐阜県関市上大野に位置する臨済宗妙心寺派の寺院で、神宮山と号します。本尊は如意輪観世音菩薩で、中濃八十八ヶ所霊場の42番札所として、地域の人々に親しまれています。

寺の創建は、南北朝時代の歴応4年（1341年）に、峰翁祖一禅師によって開かれたと伝えられています。しかし、その後、寺は長く住持不在の状態が続きました。江戸時代の元禄元年（1688年）3月、妙心寺派の僧侶である話堂和尚によって再興され、今日に至っています。

幕末の慶応年間に発生した火災により、寺の記録類が焼失してしまったため、詳しい寺の歴史や変遷については不明な点が多く残されています。しかし、地域における重要な寺院として、その存在は今も変わらず、人々の心の拠り所となっています。

大禅寺に隣接する大野神社は、この寺の鎮守社として、古くから共に地域を見守ってきました。寺と神社は、地域の人々の信仰生活において、切っても切り離せない存在として、現在も深く結びついています。

近年、大禅寺の16世住持である根本一徹氏は、自殺防止活動に精力的に取り組んでいます。講演会や対話集会などを開催し、命の大切さや生きる意味について、多くの人々に語りかけています。その活動は、地域社会において高く評価され、多くの人々に勇気と希望を与えています。大禅寺は、歴史ある寺院としての役割に加え、現代社会の課題解決にも貢献する、重要な場所となっています。

参考文献
関市『新編関市史 通史編　近世・近代・現代』 p453　平成11年2月

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