大腿骨

大腿骨の構造と機能

大腿骨（だいたいこつ）は、四肢動物の後肢に位置する長い骨であり、哺乳類の体において最も長く、最も体積があり、強靭です。この骨は股から膝の間を繋ぎ、ラテン語では「femur」と呼ばれています。日本語では
「大腿骨」という用語が広く使われていますが、古典ラテン語の属格形式では「feminis」と表記されます。

大腿骨の構成

人間の大腿骨の平均的な長さは約43.2cmであり、これは人体の最長の骨として知られています。その構造は、近位端、大腿骨体、遠位端という三つの主要部分に分かれています。

近位端

近位端は、大腿骨頭、大腿骨頚、大転子、小転子から構成されています。大腿骨頭は球状で、寛骨と共に股関節を作ります。この頭部は滑らかな表面を持っていますが、中央には大腿骨頭窩と呼ばれるくぼみがあり、この部分に靭帯が接続されて寛骨臼へと続いています。大腿骨頭の重要な役割の一つは、骨髄内での赤血球の生成です。さらに、大腿骨頚はこの頭部と大転子、小転子との間に位置しています。頚体角と呼ばれる角度は通常約125度で、これが股関節の運動範囲に影響を与えています。

大腿骨体

大腿骨体の背面には粗線があり、これが表面を三つの部分に分けています。粗線の上部には大殿筋が接着し、下部には大腿二頭筋が付着します。この構造により、歩行やランニングなどの動作が可能となります。

遠位端

遠位端には内側顆と外側顆という二つの隆起があり、脛骨と共に膝関節を構成しています。これらの顆の間には顆間窩という溝があります。内側顆と外側顆の上部にはそれぞれ内側上顆と外側上顆があり、特に内側上顆の上には内転筋結節が位置しています。

大腿骨とその関連

大腿骨と関節する骨

大腿骨は以下の骨と関節を形成します：

• - 寛骨
• - 脛骨
• - 膝蓋骨

大腿骨に関連する筋肉

大腿骨から起始する主要な筋肉には以下があります：

• - 大腿二頭筋（短頭）
• - 腓腹筋（外側頭）
• - 中間広筋
• - 外側広筋
• - 内側広筋

また、大腿骨には様々な筋肉が停止しています。このように大腿骨は、骨格の一部として運動能力において重要な役割を果たしています。

まとめ

これらの特徴から、大腿骨はヒトの身体において非常に重要な役割を果たしています。股関節や膝関節の可動性を提供し、日常生活の動作を支える基本的な骨であることが理解できます。

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