大至伸行

大至伸行の生涯とキャリア

大至 伸行（だいし のぶゆき、1968年8月23日生まれ）は、茨城県日立市の出身で、押尾川部屋に所属していた元大相撲力士です。本名は高野 伸行で、彼の最高位は1996年7月場所における東前頭3枚目でした。全盛期の体格は182センチ、体重172キロで、得意技は突き、押し、右四つ、そして寄りです。

相撲の世界では、1984年3月の初土俵を踏み、1993年5月に新十両昇進を果たし、1994年7月には新入幕を達成しました。彼は幕内での通算成績は23場所、十両では30場所を重ねており、相撲界でのキャリアは順調に思えましたが、メニエール病を患った影響で1997年には十両に陥落。その後、2002年3月場所を最後に現役を引退し、同年9月29日には断髪式を行いました。引退後は準年寄の位を得ました。

歌手としての道

大至は相撲を引退後、歌手としての活動を本格的にスタートしました。彼はコンサートやディナーショー、トークショーなど多彩なパフォーマンスを行っており、特に相撲甚句に高い評価を受けています。2006年には日本相撲協会主催の相撲指導員資格を取得しており、幕内経験者の中でこの資格を持つ数少ない人物の一人です。

2023年4月30日には浅井企画を退社し、「チーム大至」を結成。これにより、歌手としての活動をさらに強化し、精力的に広げています。また、2023年4月29日に東京オペラシティ・リサイタルホールで開催した自身初のリサイタルも好評を博しました。

経歴とエピソード

彼は、少年時代に力士として名高い北の湖と握手を交わした経歴を持ち、相撲協会を辞める際には北の湖からの慰留を断って歌手を目指しました。料理にも興味があり、2008年にはテレビ番組で自身が作る料理を披露したほどです。

また、NHK大河ドラマ「新選組!」では、江戸時代の力士・黒神を演じたこともあり、演技力も兼ね備えています。さらに、大関貴ノ浪など多くの力士の断髪式に出席し、甚句を披露してきました。相撲界の事件にも積極的に意見を述べる姿勢を持ち、特に日馬富士問題へのコメントは注目されました。

主な成績

大至の通算成績は574勝593敗で、勝率は約49.2%でした。幕内では23場所に在位し、145勝191敗の成績を残しました。相撲界での努力と経験は、今の彼の歌手としての基盤ともなっています。

結論

大至伸行は、相撲から音楽に転身した稀な例であり、現在もその才能を幅広く発揮しています。相撲甚句の伝承や歌手としての活動を通じて、彼の影響力は今なお活発に広がっています。

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