前頭について
前頭(まえがしら)は、
大相撲の
力士の地位の一つで、
幕内力士の中で
横綱および
三役(
大関・
関脇・
小結)を除いた
力士を指します。この地位は平幕(ひらまく)と同義であり、役についていない
幕内力士を表します。
呼称と由来
「前頭」という言葉は、江戸時代の前
相撲の「頭」が語源となっています。正確には「役
力士」と「前
相撲」の中間に位置する
力士のことを指し、
番付表では
十両や
幕下、
三段目、
序二段、
序ノ口の
力士も前頭として格付けされます。例えば、平幕筆頭の
力士は「
幕内前頭筆頭」と称されるのが正しいですが、通常は「前頭筆頭」と呼ばれることが多いです。
また、
三役から平幕に降格することは「前頭に落ちる」と表現されますが、
十両力士が
幕内に昇進する際の表現には「前頭に上がる」という言い回しはありません。この地位に対応する
行司や
呼出は一般的に「
幕内格
行司・
幕内呼出」と呼ばれます。
前頭の構成と待遇
前頭は、上位から前頭筆頭、前頭二枚目、前頭三枚目という具合に番号を付けられ、それぞれ東西一人ずつ存在します。前頭としての定員は規定されていませんが、
幕内力士全体で42人の定員が設けられており、
横綱や
三役以外の残りの人数が前頭枠に収まります。理論上は最大で36人(東西18枚ずつ)が在籍でき、この人数は江戸時代から現在にかけて変動してきました。
取り組みについては、前頭は
幕内力士として15日間にわたり毎日取り組みが行われ、場合によっては「これより
三役」に登場することもあり得ますが、その機会は限られています。
横綱や
大関の人数や休場者の影響が大きく、最近では令和時代に入ってからその機会が増えています。
給与と金星、銀星
前頭の給与は月給140万円で、これは
十両の110万円よりも高い金
額です。また、前頭が
横綱を倒すことで得られる金星は、その
力士の給与を上げる要因となります。
大関を破った際は銀星または殊勲の星と呼ばれますが、こちらは給与に影響しません。ただし、金星や銀星を得た際には、NHKの
大相撲中継において
取組後にインタビューを受けることがあります。
記録と平幕優勝
平幕での優勝に関しては、「前頭優勝」という表現は使わず「平幕優勝」とされる習慣があります。歴史的に見ると、平幕として優勝した
力士は何人かおり、特に佐田の山が
横綱に昇進する前は「平幕優勝の
力士は大成しない」という言い伝えがありました。
2024年現在、平幕優勝を達成した
力士の中には、
横綱昇進を果たした男女ノ川や貴花田(後の貴乃花)、照ノ富士がいます。平幕優勝の記録は近年増加しており、特に令和時代においては、その頻度が高まっています。
まとめ
前頭は、
大相撲において非常に重要な地位であり、
横綱や
三役を支える役割を果たしています。平幕
力士の活動や成績は、多くの
相撲ファンにとって注目されている要素であり、今後の
取組においても貴重な存在と言えるでしょう。