大藪古墳群

大藪古墳群の全貌

大藪古墳群（おおやぶこふんぐん）は兵庫県養父市の大藪エリアに位置する、広範囲にわたる古墳の集まりです。この地域には約150基もの古墳が存在し、その中の4基が兵庫県により指定された史跡として位置付けられています。また、47基は養父市によって指定された史跡でもあります。

地理と古墳の概要

この古墳群は、兵庫県北部に広がる丘陵地帯の一部に築かれ、円山川の右岸に広がっています。東西に約2キロメートル、南北に約1キロメートルの範囲に、大小さまざまな古墳が点在しており、その中でも特に注目されるのが、禁裡塚古墳、塚山古墳、西ノ岡古墳、こうもり塚古墳の4基です。これら4基は、全長10メートル以上の大型横穴式石室を有し、中でも禁裡塚古墳の石室は但馬地方最大の規模を誇ります。このことは、当時の地域における政治的な権力の存在を示す証拠となっています。

古墳群の歴史的背景

これらの古墳は、古墳時代後期から終末期にかけて、すなわち6世紀後半から7世紀前半にかけて築造されたと考えられています。このことは、古墳時代中期の大型古墳があった地域から、養父市へと政治権力が移動したことを示唆しています。養父郡の中心地として知られる養父地域には、養父神社との関わりを指摘する説も存在し、地域の文化や人々の信仰との関連が窺えます。

重要な古墳の紹介

禁裡塚古墳

禁裡塚古墳は大藪古墳群の中心にあり、その墳形は円形で南北35メートル、東西32メートル、高さ9メートルに及びます。埋葬施設は両袖式の横穴式石室で、全長は13.9メートルに達します。この古墳の石室は但馬地方で最大の規模を誇り、装飾には赤色顔料が施されています。

塚山古墳

塚山古墳は、一辺約35メートルの方形基壇の上に築かれた古墳で、円形で直径35メートル、高さ11メートルです。埋葬施設も両袖式の横穴式石室を有し、玄室には最大4.8メートルの天井石が使われています。

西ノ岡古墳

西ノ岡古墳は、削平を受けているためその詳細な形状は不明ですが、円形で直径25メートル程度と推測されています。その埋葬施設も両袖式の横穴式石室ですが、その時期は7世紀初頭とされています。

こうもり塚古墳

こうもり塚古墳は、方形と推測される墳丘を有し、その埋葬施設は右片袖式の石室です。元は方形であったと考えられ、その築造も古墳時代終末期にさかのぼります。

文化財としての重要性

大藪古墳群は、地域の文化財としても重要視されており、兵庫県や養父市によってさまざまな古墳が指定されています。これらの古墳は、古代の政治的権力や社会構造、さらにはその後の文化の発展に関する理解を深めるための貴重な資源です。大藪古墳群を訪れることで、古代の人々がどのように生活し、信仰を持っていたのかを身近に感じることができます。

この地域の遺跡は、歴史愛好者や考古学に興味のある人々にとって、訪れる価値のある素晴らしいスポットとなっており、さらなる研究や保護が進められることが期待されています。

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