養父神社

養父神社の紹介

養父神社（やぶじんじゃ）は、兵庫県養父市養父市場にある歴史深い神社です。この神社は、但馬国の三宮の一つであり、式内社としては名神大社2座、小社3座を含む重要な存在で、旧社格は県社に位置づけられています。地域では「養父の明神さん」として知られ、特に農業の神として農民たちに信仰されています。

養父市場と但馬牛

養父市場はかつてから但馬牛の牛市の中心地となっており、現在でも近隣の大藪で但馬牛のせり市が盛んに行われています。養父神社はその中心に位置し、地域の人々にとって親しみ深い存在となっています。

祭神について

養父神社では、5つの祭神が祀られています。具体的には、倉稲魂命（うかのみたまのみこと）、大己貴命（おおなむちのみこと）、少彦名命（すくなひこなのみこと）、谿羽道主命（たくはみちぬしのみこと）、そして船帆足尼命（ふなほあしのいらつめのみこと）です。特に、船帆足尼命は谿羽道主命の子孫で、但馬国造の祖として知られています。

江戸時代の地誌『但馬考』には、かつての上社、中社、下社にそれぞれ大己貴命、倉稲魂命と少彦名命、谿羽道主命が祀られていたと記されています。また、『特選神名牒』では大己貴命以外の4座は不詳とされており、当社の神々については多くの文献に多様な記録が残っています。

神社の歴史

養父神社は崇神天皇30年に創建されたと伝えられています。天平9年（737年）の『但馬国税正帳』にも登場しており、伝統の深さを物語っています。神階については、承和12年（845年）に従五位下を授与された後、貞観11年（869年）には正五位下、同16年（874年）には正五位上に昇叙されています。また、『延喜式神名帳』には「夜夫坐神社五座（名神大二座小三座）」との記述が見受けられます。江戸時代には水谷山普賢寺が別当寺として、神社と結びつきがありました。

祭事と文化財

養父神社では四季折々に様々な祭事が行われています。春季大祭（祈年祭）は2月25日、秋季大祭（例祭）は10月10日、さらにお走り祭り（養父市指定無形民俗文化財）は4月の第3日曜日とその前日に開催されます。この他、八十八夜祭も毎年5月2日に行われ、地域の人々が集まる賑やかなイベントとなっています。

また、養父神社には重要な文化財も存在しています。2010年には5棟の建造物が兵庫県に登録されており、本殿や拝殿は江戸時代末期に造営されています。同時に、石造宝篋印塔も1977年に養父市の指定文化財として認定されています。

アクセス情報

訪れる際には、鉄道とバスの利用が便利です。JR山陰本線の養父駅からは約2kmの距離にあり、徒歩でもアクセス可能です。また、全但バスを利用すれば、すぐ近くに降りることができます。自動車の場合、舞鶴若狭自動車道の福知山ICから約1時間、播但連絡道路の和田山ICからは約15分で到着します。周辺には大藪古墳群や満福寺といった見どころも多く、観光とともに神社を訪れることがおすすめです。

養父神社はその歴史や文化、自然との調和が魅力的なスポットです。訪れることで、豊かな地域の歴史を感じることができるでしょう。

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