大西拓磨

大西 拓磨（おおにし たくま）は、1999年（平成11年）4月14日生まれの日本の多才な活動家です。デザイナー、開発者、そしてYouTuberとして知られています。

生い立ちと波乱の道のり

神奈川県横浜市に生まれた大西は、栄光学園中学校に進学するものの、家庭環境の悪化から不登校となります。その後、一人暮らしをするために神奈川県立横浜平沼高等学校へ転校しますが、周囲に馴染めず中途退学を選びました。高等学校卒業程度認定試験に合格後、東京藝術大学美術学部建築科に首席で入学を果たしますが、約半年後に問題行動を理由に懲戒退学処分を受けます。大学を去った後はうつ病に苦しみ職に就けず、生活保護を受給しながら、空港やインターネットカフェなどを転々とする路上生活を送る時期もありました。

転機と脚光

人生のどん底とも言える状況にあった2020年12月、自身の半生を赤裸々に綴ったブログ記事「僕のしょうもない人生を紹介します」が200万以上のページビューを記録し、大きな反響を呼びました。この出来事をきっかけに彼は一躍世間の注目を浴び、同時期から孫正義育英財団からの支援を受けるようになります。これを機に、活動の幅を広げ、F1ドライバー角田裕毅のヘルメットデザインや、「3秒敬語」「おしゃべりひろゆきメーカー」といったユニークなWebアプリケーション開発に携わりました。

主な活動と独自の発明

大西は単なるクリエイターに留まらず、開発者としても才能を発揮しています。2022年には、ローマ字入力に特化した独自のキーボード配列「大西配列」を発表。さらに2024年には、この配列を搭載したキーボード「おさかなキーボード」を製品化し発売に至りました。また、同年にはYouTubeチャンネル『好き語り』を開設。このチャンネルでは、毎回異なるゲストを招き、彼らが情熱を傾ける「好き」な事柄について深く語り合う企画を自ら考案し、出演や編集も手がけています。

人物像とエピソード

幼い頃から設計に強い関心を持ち、小学生時代には架空の建築物や豪華客船の間取り図を書いて遊んでいました。中学時代はモバイルゲーム「パズル＆ドラゴンズ」に熱中し、無課金ながら最大強化モンスターを30体揃える「一面」を史上3人目のプレイヤーとして達成しています。高校時代は学業優秀で、着物デザインコンクールで京都府知事賞を受賞するなど優等生の一面を見せる一方、成績表でブーメランを作る、校内に千個の紙コップを並べる、クラスメイト全員の机にキャラメルを入れるといった、型破りな行動を繰り返していました。東京藝術大学での最初の課題では、大学の正門を封鎖するという前代未聞の方法で提出し、進級不可となります。その後も、研究室に水槽を設置して魚を飼育したり、広場のタイルにビニールを貼って色を変えたり、学園祭で教授批判のビラを撒くなど、常識にとらわれない行動が続き、最終的に懲戒退学処分を受けました。生活保護を受けていた時期には、一部の高域IQテストで高いスコアを記録し、World Genius DirectoryにIQ180という数値が掲載されたこともあります。しかし、これらのテストは医学的な根拠が薄い愛好家向けのパズル的な性質のものであることを認識しており、本人も「IQはクソ」と公言するなど、IQという概念自体に対して批判的な立場をとっています。

メディア出演

これまでの経歴や活動は注目を集め、メディアにも多数出演しています。主な出演番組には、NHK Eテレの「素顔のギフテッド」（2020年）、TBSの「林先生の初耳学」（2021年）や「サンデージャポン」（2024年）などがあります。

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