大谷友右衛門 (4代目)

四代目 大谷友右衛門

四代目 大谷友右衛門（よだいめ おおたに ともえもん）は、江戸時代後期に活躍した歌舞伎役者であり、その生涯は多くの変遷と挑戦に満ちていました。彼は寛政3年（1791年）に生まれ、万延2年1月1日（1861年2月10日）に生涯を閉じました。屋号は明石屋で、俳名は此友、樂猿、定紋は丸十、替紋は水仙丸と多岐にわたる名前を持っていました。

友右衛門は狂言作者・出來島専助の子供として、大坂で誕生しました。彼は初め、二代目大谷友右衛門の門人として修行を始めると同時に、大谷福藏と名乗ります。その後も次々と名前を改め、大谷萬作、大谷樂猿として活動しました。

彼の名が広まったのは、二代目友右衛門が亡くなった後の天保2年（1831年）。この年、友右衛門は江戸に下り、同年の11月に河原崎座で大谷友右衛門を襲名しました。しかし、興味深いことに、すでに同門の嵐舎丸が大坂で同じ名跡を襲名しており、これによって江戸と上方で同時に大谷友右衛門が存在するという珍しい事態が生まれました。このため、彼らは「上方友右衛門」と「江戸友右衛門」として呼ばれることになり、その後の八年間にわたって両者が並び立ちました。

友右衛門は江戸と上方の両方で活躍し、安政6年（1859年）頃まで舞台に立ちましたが、その後は名声が聞かれなくなりました。彼は弟子たちを育成し、幹部俳優にまで出世する一方で、酒癖の悪さから周囲とトラブルを起こすこともしばしばありました。しかし、晩年にはその性格も和らいだと伝えられています。彼は敵役が得意で、『敵討天下茶屋聚』の安達元右衛門役は特に有名であり、今でも友右衛門による演技は歴史的な名演とされています。

友右衛門の子供、次男には五代目大谷廣次がいます。また、彼の人生にはたくさんの経験が詰まっており、それを次世代に受け継いでもいます。歌舞伎の歴史において、友右衛門の存在は非常に重要であり、彼の演技や名跡は今日でも多くの俳優に影響を与えているのです。彼の人生を振り返ることで、歌舞伎の深い魅力や、役者の誇り、努力の世界を理解することができるでしょう。

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