大谷茂盛

大谷茂盛（おおたに しげもり）は、1926年1月1日に生まれ、1990年10月15日に逝去した、日本の著名な化学工学者です。彼は東北大学の第16代総長を務め、その卓越した業績とリーダーシップで知られています。最終的な位階は従三位、勲等は勲二等旭日重光章でした。

生い立ちと学歴

大谷茂盛は、長野県南安曇郡真々部村（現在の安曇野市）で誕生しました。1943年に旧制長野県立松本中学校（現在の長野県松本深志高等学校）を卒業後、旧制山梨工業専門学校（現在の山梨大学工学部）に進学し、1945年に卒業しました。その後、東北大学大学院に進み、工学部機械工学科で学び、1949年に修了しました。彼は東北大学大学院の第1期特別研究員としても研鑽を積みました。

研究者としてのキャリア

1960年、大谷茂盛は東北大学工学部の助教授に就任し、研究者としてのキャリアを本格的にスタートさせました。1965年には、「粒状物質内における水分移動に関する研究」により工学博士号を取得しました。同年、東北大学工学部化学工学科の教授に昇進し、教育と研究の両面で活躍しました。1982年には、東北大学工学部に附属燃焼限界実験施設が設置されると、初代施設長に就任し、施設の運営と研究を牽引しました。

大学運営と学術活動

1987年、大谷茂盛は東北大学工学部長に就任し、学部運営に携わりました。その後、1989年には東北大学の総長（第16代）に選出され、大学全体の発展に尽力しました。学界では、化学工学協会（現在の化学工学会）会長、日本伝熱学会会長、日本熱物性研究会会長など、数々の要職を歴任しました。また、第14期日本学術会議会員にも選出され、学術の振興に大きく貢献しました。

受賞と栄典

1989年には、その研究業績が認められ、化学工学協会学術賞を受賞しました。これは、「伝熱及び燃焼に関する化学工学的研究」によるものです。没後には、その功績を讃えられ、従三位と勲二等旭日重光章が追贈されました。

研究内容と業績

大谷茂盛の専門は、伝熱工学と移動現象工学でした。特に、粒状物質内の水分移動に関する研究は、彼の代表的な業績として知られています。彼の研究は、化学工学の分野に大きな影響を与えました。

死去

大谷茂盛は1990年10月15日にこの世を去りましたが、彼の業績は今もなお、多くの研究者や学生に影響を与え続けています。

参考文献

* 「現代物故者事典 1988〜1990」日外アソシエーツ、1993年

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