大谷香奈絵

大谷 香奈絵（おおたに かなえ）氏は、1982年5月30日に神奈川県川崎市で生まれ、現在は長野放送（NBS）のアナウンサーとして活躍しています。

彼女のユニークなキャリアは、アナウンサーの枠を超えた多才な一面に彩られています。特に注目すべきは、一輪車における輝かしい実績です。史上最年少で全日本チャンピオンに輝いた記録は今なお破られていません。この並外れた技術は、共演者や関係者をも驚嘆させるほどであり、現在も松本市の一輪車チームに所属し、子どもたちへの指導や自身も演技者として活動を続けています。一輪車の公認指導者免許も取得しており、その情熱は本物です。

幼少期から音楽にも親しみ、3歳から始めたピアノではコンクールで多数受賞するなど高い実力を持ち、絶対音感も身につけています。高校時代は音楽大学を目指すほどでしたが、この頃にはフルートや書道、一輪車など、幅広い分野で才能を発揮していました。高校でのミュージカル主演や、大学時代に所属したオーケストラ部での活動も、彼女の表現力の基盤となっています。

フェリス女学院大学文学部日本文学科に進学後、彼女の視野はさらに世界へと広がります。多様な文化を持つ人々との交流を求め、非言語コミュニケーションを深く学びました。大学在学中の2003年にはBSフジNEWSのニュースキャスターを務める一方、卒業後はアメリカ、インド、ブラジルなどでの留学やボランティア活動に積極的に参加。インドでは社会的に困難な地域でのトイレ建設、ブラジルでは僻地でのバナナ農園手伝いなど、現場で社会問題に触れる貴重な経験を積んでいます。当初は海外での保育士を目指し、実際に学生時代にサンフランシスコで活動していた時期もありました。

アナウンサーへと進路を変更した背景には、家族への深い思いがありました。信濃毎日新聞の取材に対し、病院でテレビを見て生活する祖母に寂しい思いをさせたくない、アナウンサーになれば毎日顔を見せられるから、と語っています。

2006年4月、長野放送に入社。以来、NBSの顔として様々な番組を担当してきました。特に情報番組「土曜はこれダネッ！」では、お天気コーナー「あした晴れるカナ？」で自身手作りのフェルトマスコットや撮影した写真を使用するなど、温かい個性あふれる表現で人気を博しました。また、NBS主催のイベントでは、自ら原作・手書きした絵本をプレゼントする企画も行うなど、クリエイティブな才能を発揮しています。さらに、「FNSの日26時間テレビ」の三輪車レースや、「NBS月曜スペシャル」での旅番組企画など、体当たりで挑戦する姿勢も見せています。

2011年3月からは報道番組「NBSスーパーニュース」のキャスターに抜擢され、部署も報道局へ異動。アナウンサーとしての職務に加え、積極的に現場取材も行うようになります。「ただの『テレビの中の人』にはなりたくない」「弱い立場の人の気持ちをくみ取れるような取材をしたい」と語り、東日本大震災の被災地でのボランティア活動も自らの休みを利用して行うなど、報道に携わる者としての強い使命感と人間味溢れる姿勢を示しました。報道番組の天気予報コーナーでも、自身が撮影した風景写真やイラスト、コラムを交え、視聴者との繋がりを大切にしました。

私生活では2012年に結婚。3度出産を経験し、その都度産休・育休のため番組を離れましたが、2018年、2021年、そして2024年と、いずれも職場に復帰しています。特に3度目の育休明けとなる2024年4月の復帰後、同年6月からは情報番組「ふるさとライブ」にレギュラー出演を開始するなど、再び第一線で活躍しています。

アナウンサーとして、母親として、そして一輪車指導者として、大谷香奈絵氏は様々な顔を持ちながら、誠実に仕事と向き合い、地域に貢献し続けています。その多彩な経験と人間性が、多くの視聴者に親しまれる理由と言えるでしょう。

過去の主な担当番組
NBSスーパーニュース
NBSみんなのニュース
NBSプライムニュース みんなの信州
土曜はこれダネッ！
ふるさとライブ（現在担当中）
その他、NBSニュース、広報番組など多数

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