大越元気

大越 元気（おおこし げんき）は、1994年12月26日に東京都世田谷区で生を受けた日本のプロラグビー選手です。現在、ジャパンラグビーリーグワンの強豪、東京サントリーサンゴリアスで、チームのゲームメイクを担う重要なポジション、スクラムハーフ（SH）として活躍しています。

楕円球との出会いは早く、わずか3歳でラグビーを始めました。本格的に競技の世界に足を踏み入れたのは、小学5年生になってからです。幼少期からラグビーに親しみ、基礎を培ってきました。

高校は、ラグビーの名門として知られる茗溪学園高校に進学しました。ここで才能を磨き、卒業後の2013年には同志社大学へ進学。大学でもラグビー部に所属し、中心選手としてプレーしました。特に、大学4年次の2016年には、バックスリーダーとしてチームを牽引する重要な役割を担い、リーダーシップと戦術理解力を深めました。高校時代の同級生には、後に共にプロラグビー選手となる大芝優泰や鈴木啓太といった顔ぶれがいます。

大学での活躍が認められ、卒業を控えた2017年には、当時のトップリーグに所属していたサントリーサンゴリアス（現在の東京サントリーサンゴリアス）への加入が内定。鳴り物入りでプロの世界に飛び込みました。

国際舞台での経験も、大越選手のキャリアを語る上で欠かせません。若い頃にはU20日本代表に選出され、将来を嘱望される存在として期待されました。さらに、日本で開催されたラグビーワールドカップ2019の期間中には、世界のトップチームであるイングランド代表のトレーニングメンバーとして帯同するという貴重な経験を積みました。世界最高峰の環境で練習を共にし、そのレベルの高さやプロフェッショナリズムを間近で体験したことは、自身のスキルアップに大きく貢献しました。

サントリーサンゴリアスでの公式戦デビューは、2020年1月12日に行われたジャパンラグビートップリーグ（当時）の開幕節、東芝ブレイブルーパス（現在の東芝ブレイブルーパス東京）との試合でした。この記念すべき一戦に先発出場し、プロの舞台で初めてピッチに立ちました。以来、巧みなパス捌きと判断力、そして俊敏な動きでチームの攻撃を司るキープレイヤーとして定着しています。

身長162cm、体重63kgと、屈強な選手が多いラグビー界においては比較的小柄な体格ですが、それを補って余りあるスピードと機動力、そして卓越したスキルでチームを支えています。低い姿勢からのブレイクダウン参加や、相手のタックルを巧みにかわすステップワークは彼の持ち味です。チームメイトからは、「げんき」「ぼうず」「ひょっとこ」といった愛称で親しまれています。

ラグビー一家に育ち、弟の大越勇気選手もまたラグビー選手として、現在明治大学で活躍しています。

長年にわたり日本のトップリーグでプレーを続ける大越元気選手は、経験豊富なベテランとして、若手の多いチームを牽引する役割も果たしています。その小柄さを感じさせないダイナミックなプレーと確かな技術は、多くのファンを魅了し続けています。東京サントリーサンゴリアスの中核として、今後のさらなる活躍が期待される選手です。

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