大追跡 (テレビドラマ)

大追跡について

『大追跡』（だいついせき）は、日本の刑事ドラマで、1978年4月から9月まで日本テレビ系列で放送されていました。全26話で構成されるこの作品は、リーダーシップと団結力をテーマに、特殊な環境に置かれた捜査班が凶悪犯罪に立ち向かう姿を描いています。

あらすじ

このドラマは、犯罪が蔓延する横浜の港町を舞台に展開されます。警察の検挙率が低下する中、県警本部の刑事部長が設置したのが、刑事たちから嫌われる特殊セクション『遊撃捜査班』です。このチームは、所轄レベルの捜査で進展がない事件に直接介入しますが、同時に権限を持ったその行動は、他の捜査官からの拒絶や冷淡さを引き起こします。結果として、彼らは孤独な戦いを強いられることになります。

作品の特徴

『大追跡』は、石原プロモーションが製作し、主演に 加山雄三を迎えたことでも知られます。プロデューサー岡田晋吉の企画原案『追跡者』は、アクションと人間ドラマが融合したスタイルで描かれており、放送が始まった当初は従来の海外ドラマのような色合いが強かったものの、ストーリーが進行するにつれ出演者のアドリブやユーモアが加味されたユニークな展開に変化しました。

このドラマの最大の魅力は、実在するキャラクターたちの深さにあります。主人公・新田英一は、過去の失敗から再起を図る警部で、捜査官としての信念を持ちつつも葛藤します。彼の部下となる水原慎介は、型破りで自由な発想を持ち、時には新田に直言する姿勢が魅力です。その他のメンバーも、それぞれ独自の背景を持ち、小さなチームが癖や信念を抱えながら努力する様子が描かれています。

視聴率も高く、初回は19.5%、第21話では22.3%を記録しました。これによって続編の企画も検討されましたが、さまざまな事情により既存のメンバーでの続編は実現しませんでした。

撮影の舞台

ドラマの撮影は横浜市の中心部が中心で、特に関内、中華街、山手といった名所がロケーションとして用いられました。メインキャラクターたちが県警本部に属する設定ゆえに、広い神奈川県内での撮影が行われ、視聴者にリアルな横浜の風景を提供しました。さらに、ロケに訪れた一般の人々も、時にはキャストと交流を楽しむことがあったと伝えられています。

登場人物の紹介

• - 新田英一（演：加山雄三）: 遊撃捜査班の班長。厳しい状況でも冷静さを保ち、部下を信じて捜査に臨む。
• - 水原慎介（演：藤竜也）: 遊撃捜査班の部長刑事。型破りな性格で、他のメンバーと対照的な一面。
• - 矢吹史朗（演：沖雅也）: 厳格で真面目な性格の刑事。
• - 滝本稔（演：柴田恭兵）: 楽天的で遊撃捜査班のムードメーカー。
• - 結城佳代子（演：長谷直美）: 男性顔負けの刑事で、意地を持っている。

最終回にはゲスト出演者が登場し、話題を呼びました。音楽を担当した大野雄二のテーマもドラマの雰囲気を引き立て、多くのファンに記憶されています。

『大追跡』は、今なお多くの人に愛される名作として、当時の社会背景を反映し、刑事ドラマの新たな形を提示した作品です。

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