大邱市民運動場野球場

大邱市民運動場野球場の歴史と特長

大邱市民運動場野球場（テグしみんうんどうじょうやきゅうじょう）は、韓国の大邱広域市に位置する野球場で、かつてはプロ野球チームのサムスン・ライオンズが本拠地として利用していました。この球場は1948年に完成し、1981年に改修が行われました。1982年には韓国プロ野球が始まり、サムスン・ライオンズのホームスタジアムとしての役割を担い始めました。

一方で、近年では老朽化が深刻となり、運営側の大邱広域市は新たに大邱サムスン・ライオンズ・パークを建設しました。この新球場は2016年シーズンから使用されており、地下鉄2号線の大公園駅に近接しています。特に注目すべきは、新球場の建設費用の一部にサムスンの支援があった点です。

大邱市民運動場野球場は、収容人数が10,000人と韓国プロ野球の他の本拠地と比べて少なく、2010年代には人気が高まる中で、土日や祝日の試合では入場券が完売することが多々ありました。また、試合の開催時には外野が狭いことから、ホームランが出やすい球場として知られていました。

特にイ・スンヨプ選手が在籍していた時期には、彼はこの球場で56本のホームランを打ち、記録を樹立しています。2003年の最終戦では、特に記念すべき56号ホームランが外野フェンスに当たり、当時設置されていたラッキーゾーンに落ちたことがあり、球団はこのボールをしっかりと受け取りました。

しかし、老朽化が進んだこの球場は、2006年のシーズン後にわずかながら再度の改修を行い、人工芝の手入れを施し、外野のラッキーゾーンを撤去するなどの対策が取られました。また、2009年からは座席の改装が開始され、観客の体験向上に努めました。

2015年10月2日、大邱市民運動場野球場でサムスン・ライオンズとKTウィズの試合が行われ、盛大なセレモニーをもって公式戦が終了しました。その後、同年の10月26日から27日には、この球場における最後のプロ野球・韓国シリーズも開催され、歴史的な瞬間となりました。

公式戦終了後は、周囲の体育施設と共にリニューアル工事が進み、多くの観客席が撤去されました。2018年3月からは、アマチュア専用の野球場として利用されることになり、新たな役割を果たしています。サムスン・ライオンズが本拠地として使用していたころ、このスタジアムのダッグアウトではサムスンが3塁側を、対戦チームが1塁側を利用していました。

大邱市民運動場野球場は、一時代を築いた球場であり、その歴史と記憶は今もなおスポーツファンの心に生き続けています。

もう一度検索